プロフィール

鳴海淳義(なるみ・あつよし)
1980年生まれ。早稲田大学文学部卒業。ウェブメディア記者・編集者。ダイエットやグルメ、書評、ガジェットなどについて発信し、多くの読者を獲得。「一カ月半で10.5kgダイエットした人の全食事記録」というまとめ記事が、4000万ページビューを超える大ヒットとなる。著書に『やせたいならコンビニでおでんを買いなさい』(日経BP)がある。
コンビニ食品はカロリー計算が簡単
私が生まれて初めてダイエットに成功したのは、2012年の春です。1ヵ月半で10.5kgの減量ができました。このダイエットで活用したのが、コンビニのおでんです。
私は体質的にも、生活習慣的にも、太りやすいと自覚しています。仕事はネットメディアの編集者で、食べ歩きの記事なども書いていました。
そのため、忙しくなると、パソコンの前に張り付きっぱなしになり、体を動かさなくなってしまいます。
もともと運動が好きでジム通いもしていたのですが、食べ過ぎと運動不足が重なり、2012年の初めには、身長170cmに対し、体重が73.7kgまで増えました。
当時は30代前半でしたので、太ってひざや腰が痛くなったり、健康診断で検査値が抜きん出た異常値になったりすることはありませんでした。ただ、とにかく体が重くて、階段を上っただけで疲れてしまう自分に嫌気がさしたのです。
以前にも何度かダイエットを試しましたが、このときは「きちんと体重を落とそう」と決意し、2012年の3月から本気で取り組みました。
ダイエットでたいせつなのは、1日の消費カロリー(エネルギー)を摂取カロリーよりも増やすことです。そして、体内で余分になると脂肪に変わる糖質を避けるのもポイントとなります。
自分が摂取しているカロリーや糖質量を知るためには、コンビニの食品は非常に便利です。パッケージの裏側に、必ず栄養成分表示があるからです。
私は自炊も行いますが、料理に入れる食材や調味料のカロリー計算など、とてもできません。ですから、短期間でダイエットの成果を上げるためには、自炊よりもカロリー計算が容易な、コンビニの食品のほうが適しているといえます。
しかも、コンビニはオフィスや自宅を問わず、近くにあるケースが多いので、忙しいときでも続けやすいというメリットもあります。
コンビニに並んでいる食品を比較したところ、店頭にあるおでんが低糖質・低カロリーで、ダイエットに最適だと気づきました。
おにぎりだと、たった1個で150~200kcalになります。それに対し、おでんの大根やコンニャク、シラタキは、単品で7~15kcal。大根を14個食べても、おにぎり1個よりもカロリーが低いというわけです。
メリットはそれだけではありません。カロリーを気にしてサラダなどを食べ続けていると、つらい気持ちになってきます。これは、冷たい食品で心身が冷やされるという面があると考えられます。
一方、おでんは温かいスープといっしょに具を食べるので、体が温まり満たされます。ダイエットの長続きには、温かい食品をとることも大事です。
おでんは、コンビニ各社が競い合って、研究に力を入れています。毎年、味が改良されたり、新商品が投入されたりするため、食事として楽しむことができるのもおでんの魅力です。
昼食はコンビニおでん、朝晩は制限なし
おでんの具のカロリー別分類表
低カロリーグループ(7~15kcal)
・大根 ・コンニャク ・シラタキ ・コンブ巻き …など
中カロリーグループ(30~55kcal)
・はんぺん ・焼きちくわ ・ゴボウ巻 ・牛スジ …など
高カロリーグループ(70~130kcal)
・厚揚げ ・焼き豆腐 ・がんもどき ・餅巾着 ・ジャガイモ ・卵 …など
なるべく低カロリーの具を選びましょう!
私の場合は、仕事の合間にとる昼食を、コンビニのおでんにしました。定番は、大根、コンニャク、シラタキといった低糖質・低カロリーの具です。注意が必要なのは、揚げ物である厚揚げとがんもどき、そして練り物のちくわです。
ただし、「絶対にダメ」というわけではなく、こうした高カロリーの具は一つにとどめればいいと思います。そして朝食と夕食では、糖質はなるべく控えるものの、特に制限は設けませんでした。
ダイエットでつらかったのは、最初の1週間だけでした。それが3~4kg体重が減るとうれしくなって、それ以降は楽しみながらダイエットができました。さらに、ダイエット期間の1ヵ月半のうち、12日くらいはお酒を飲んだり、焼き肉を食べたりしました。
このような「無理のなさ」がよかったのでしょうか、2012年の4月にダイエット記録をネット上で紹介したところ、大きな反響がありました。「これなら私でも実践できる」「結婚式の前にすごくやせられた」などの声が多く届いたのです。
こうした声をまとめると、女性なら3~4kg、男性なら7~8kgやせている印象です。
最近、おでんに甘酒を加える「甘酒おでん」が話題のようです。味や風味も変わるでしょうから、おでんダイエットを飽きにくくする工夫になると思います。ただし、甘酒のカロリーは比較的高いので、具材選びには気をつけましょう。
[別記事:腸機能を高める甘酒おでんの作り方→]

この記事は『壮快』2021年2月号に掲載されています。
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