プロフィール

森島土紀子(もりしま・ときこ)
「生姜料理しょうが」オーナー。1953年生まれ。39歳のときに、神奈川・新百合ヶ丘にて、小物や仕事着などの製作・販売を行う「仕事着屋しょうが」を開店。2年後には店舗の半分を改装し、ショウガ料理専門店「生姜料理しょうが」をオープンさせる。現在は姉妹店の「生姜料理がらがら」も経営しながら、自身も店に立ち、接客や販売を行っている。「ショウガの女神」として、テレビなどのメディアにも多数出演。著書に『しょうが女神の簡単おつまみ127』(小学館)などがある。
ショウガが好き過ぎて専門店をオープン
私は子どもの頃から、大のショウガ好きでした。
家族ですし屋に行けば、目の前にまず出されるのが、山積みのガリ。私は喜んで、そればかりをパクパク食べていました。
専業主婦になってからも、作る料理はどれもショウガ入り。生だとピリッとしたアクセントがつくし、火を入れるとコクとうま味が出ます。わが家の子どもたちも、ショウガ入りの料理が大好きでした。
そんな私が、手作りの小物や仕事着などを販売する店を友人と始めたのは、30年前。店名を決める際「自分の好きなものは何だろう」と考えたとき、真っ先にショウガが浮かびました。
そこで、店名は「仕事着屋しょうが」にすることに。やがて、料理も好きだった私たちは、店舗の半分を改装し、ショウガ料理のお店をやるようになりました。
このお店は、テレビや雑誌で紹介されたこともあり、ありがたいことに、連日行列ができるほどの人気となりました。
目の回るような忙しい日々の中、私は年を重ね、現在は67歳に。70歳近くなっても現役で、元気にお店に立てるのは、朝昼晩食べている、ショウガのおかげだと思っています。
お店では、ずっと立ちっ放しで働いていますが、肩や腰、ひざの痛みに悩まされたことはありません。たくさん動くので、仕事中に歩数計をつけてみたところ、お店の中だけで1万3千歩も歩いていました。
ですから、さすがに帰宅する頃には、足の裏が痛くなります。それでも一晩寝れば、翌朝にはケロッとしていて、疲れを引きずることがありません。
さらに、ここ何年もカゼをひいていませんし、インフルエンザにかかったこともありません。その上、更年期障害もなく、現在に至っています。
スタッフも自然にやせ美肌になった
ショウガといえば、体を温める効果がよく知られていますが、私もやはり、冷えとは無縁です。真冬でも足先までポカポカなので、ブーツやスニーカーをはくとき以外は、1年中はだしで、げたをはいています。
そんな私の唯一の病気経験が、腸閉塞(腸の内容物が通過しなくなる病気)。ゆで不足で硬いままのラーメンを食べたら、おなかが猛烈に痛くなってしまったのです。
しかし、1週間の入院予定だったのにも関わらず、処置後はみるみる元気になり、たった2日で退院。目覚ましい回復ぶりは、やはりショウガのおかげなんじゃないか、と思いました。
ショウガの効果を感じているのは、私だけではないようです。ショウガ入りのまかない料理を食べているスタッフも、「ここで働き始めてから健康になった」と、口をそろえて言っています。
実際、皆カゼ知らずでお肌はツヤツヤ。中には、自然に9kgやせたという人もいます。
これらの経験からも「ショウガは健康にいい」と、自信を持って皆さんにお勧めできます。

森島さんの家にはショウガで作った調味料がたくさん
油や粉を作っておけば毎日使いやすい
ショウガはおいしいだけでなく、健康維持にも重宝する食材。ただ、使うときにその都度、ショウガを切ったりすったりするのが面倒……。そう思う人も多いかと思います。
そこでお勧めしたいのが、ショウガ入りの油や粉などをあらかじめ準備しておき、料理に使うことです。
例えば、下記でご紹介している「ショウガオイル」。炒め油として使っても、そのままバゲットにつけても絶品です。
また、ショウガパウダーを、ガラムマサラなどの好みのスパイス、小麦粉、片栗粉と合わせた粉も、手軽に使えます。肉や魚、野菜につけて焼けば、味付けいらずで、舌鼓を打つような一品に。あまりにおいしく、料理もらくなので、私はこれを「魔法の粉」と呼んでいます。
こうして毎日ショウガをとっているおかげで、私は今も元気に生活しています。皆さんも試してみてはいかがでしょうか。
ショウガオイルの作り方
【材料】(作りやすい分量)
ショウガ(みじん切り)……約20g
オリーブ油……250ml
ニンニクスライス……約10g
【作り方】
材料を全て入れ、1日程度漬けておけば出来上がり。
【お勧めの食べ方】
・バゲットなどのパンにつけて、ショウガパンに。
・パスタや炒め物などの油に使う。

この記事は『安心』2021年1月号に掲載されています。
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