解説者のプロフィール
杉山卓也（すぎやま・たくや）
漢方薬剤師／漢方アドバイザー／神奈川中医薬研究会会長／星薬科大学非常勤講師
通称は「タクヤ先生」。神奈川県にある「漢方のスギヤマ薬局」にて予約制の健康相談を受けるかたわら、中医学講師として新宿を中心に全国にて年間140本のセミナーを開催。漢方薬局経営者向けのコンサルタント会社「Takuya kanpo consulting」の経営や、中医学界初のオンラインサロンの主宰、成城漢方たまりやtamari中医学養生学院の経営も行う。TwitterやYouTube、Voicyなどでの中医学や養生に関わる情報の発信など、さまざまな分野で漢方・中医学業界のパイオニアとして幅広く活躍中。著書に『現場で使える 薬剤師・登録販売者のための漢方相談便利帖 わかる！選べる！漢方薬163』（翔泳社）や『生理痛ぬけ。』（三才ブックス）、『漢方でわかる 上手な「こころ」の休ませ方』（三笠書房）などがある。
▼漢方のスギヤマ薬局（公式サイト）
▼タクヤ先生（Twitter）
▼タクヤ先生の知識ゼロでも5分で学べる東洋医学（YouTube）
効能・効果
【元気になる器官】
大腸・脾・肺・肝
【この不調に効く！】
食欲不振・喉の渇き・下痢・血行不良・貧血・体力の低下
【属性】平性・酸味・初夏
【作用】収斂作用・固渋作用・整腸作用・補陰作用・補血作用
【このタイプにおすすめ！】陰虚タイプ・肝鬱気滞タイプ
特有の酸味をもち、食欲増進や唾液の分泌促進により喉の渇きを改善します。また、腸内の整腸作用があり、下痢を止めます。
ビタミンＥや鉄分も含むので、血行改善や貧血改善にも効果があります。
養生法
酸味によって陰虚を改善するため、体内の「水」不足による渇きや下痢があるときに食べると良いでしょう。発熱や発汗の際に生じる急性の陰虚も改善するので、風邪や夏バテ、熱中症による体力の消耗時に積極的に食べたい食材です。
【豆知識】
熟す前の青梅には毒性があるので生食はできません。梅干しにしたり、熟したり、酒に漬け込むことなどで毒性は分解され、無毒化します。
相性のいい食材
百合根・大根・レンコン
肺の働きを元気にする食材と一緒に食べると乾燥肌の改善や気管支炎の軽減などの効果がアップします。
イカ・タコ・イワシ
魚介類や青魚などに含まれるタウリンと合わせると、肝機能が改善され、コレステロール値や慢性のだるさの改善に役立ちます。
疲労回復！イワシの梅煮
「気」と「血」を補い、血行不良を改善するイワシに、疲労回復の効果がある梅を加えることで、疲労時や体力消耗時にぴったりの薬膳料理になります。
材料／３～４人分
・イワシ……８尾
・梅干し……３～４個
・ショウガ……１片
・醤油……大さじ２
・みりん……大さじ２
・水……1.5カップ
作り方
❶イワシは頭を落とし、内臓を取り除く
❷醤油・みりん・水を鍋に入れて煮立ったら、①と梅干し、ショウガを入れる
❸落とし蓋をして、煮汁をかけながら弱火で2～30分程度煮ると完成
■イラスト／くじら
■本稿は『不調が消える 食べもの事典』（あさ出版）から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
