日本では、サプリメントや民間薬として出回っているイチョウの葉ですが、ヨーロッパでは医薬品です。血流障害によって引き起こされる手足のしびれ、視力減退、神経痛、高血圧、めまい。また、脳溢血や心筋梗塞、心臓病、それらの後遺症にもよいでしょう。【解説】平田真知子(薬草コンサルタント)

解説者のプロフィール

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平田真知子(ひらた・まちこ)

昭和45年より独学で薬草の研究を始め、その後、長崎市の植物学者・高橋貞夫先生に師事し、薬草研究を行う。昭和60年より各地の薬草会の指導を始め、自治体の健康づくり大会で健康相談や、保健所、公民館、老人会や農協などで講演など行う。主宰する「薬草の会」には数百名もの会員が40~100歳という幅広い年齢で在籍している。会員は皆、声にハリがあって大きく、肌ツヤよく、認知症やがんとは無縁で過ごしている。

今が摘みどき、作りどき!
「イチョウ」
【効果・効能】老化予防、物忘れ、高血圧、血行促進、心臓病、視力減退、飛蚊症など

2億年以上前から地球上に存在する樹木

たくさんの薬草を扱う私から見ても、イチョウはとりわけ面白い植物だと思います。

イチョウは、公園や道路脇など、至るところで見ることができますが、意外にも、2億年以上前に誕生した古い種類の樹木です。

そのため、植物では珍しく、精子による生殖を行うという原始的な繁殖方法をとります。イチョウは、雄花と雌花が別々の雌雄異株で、秋の初めにギンナンの中で子孫を残す営みが行われます。種を割り、顕微鏡で観察すると、羊水のような液体に浮かぶイチョウの精子を見ることができますが、一般にはあまり知られていません。

イチョウの原産は中国で、明の時代に書かれた薬草辞典『本草綱目』にも登場します。けれども、これまで薬用に用いられてきたのは、もっぱら実のほうでした。

イチョウのに、薬効成分があることを突き止めたのはドイツです。血の巡りがよくなるため、ほとんどの老化現象によい効果をもたらします。血流障害によって引き起こされる手足のしびれ、視力減退、神経痛、高血圧、めまい。また、脳溢血や心筋梗塞、心臓病、それらの後遺症にもよいでしょう。

世界中のイチョウを調べたところ、なんと日本のイチョウ、それも熊本周辺のものが薬効的に最も優れているという分析結果が出たため、現在は町をあげて輸出用に栽培しています。

日本では、サプリメントや民間薬として出回っているイチョウの葉ですが、ヨーロッパでは医薬品です。葉の使い方が日本に入ってから、まだ30年そこそこですが、本来はもっと活用されていい薬草だと思います。

葉の採取は、9月から12月初旬まで。当初、落葉する10日くらい前のものがいいとされていましたが、薬草の会のメンバーが青い葉を使っても血圧が下がったことから、黄葉する前も使うようになりました。ただし、1本の樹木から大量の葉をとるのは、木が傷むので避けてください。

採取した葉はきれいに水洗いし、ホットカーペットの上に新聞紙などを広げて、よく乾かします。最初は水分を含んでいるので、ボトボトとした感じがしますが、それがシャラシャラとした感触になるまでが目安です。

前述の症状を未然に予防する場合は、お茶に入れて飲みますが、すでにそうした症状のある人は、1日量10〜15gのイチョウの葉を、やかん一杯の水(約2L)で煎じ、半量になるまで煮詰めた煎液を朝昼晩に分服します。

イチョウは葉も実も薬効が高い

薬草の会の会員に、めまいに悩まされていた人がいました。イチョウの葉を煎じて飲み始めたところ、それが全くなくなったと言います。また、同会の年配の人は、足裏に感じていたしびれのような違和感がさっぱり消え、普通に歩けるようになったそうです。どちらも、老化による血流障害が改善したのでしょう。

イチョウの実、ギンナンは、体を温める「温」の作用があり、子どもの夜尿症や、お年寄りの頻尿に効果があります。

老人性頻尿にお困りの方は、寝る前に炒ったギンナンを7粒ほど食べてください。外出時もギンナンを食べておけば、トイレの心配をしなくて済みます。昔の中国では、娘が嫁ぐ朝、何度もトイレに行かなくていいように、母親が娘にギンナンを食べさせて送り出すのが習慣だったそうです。

ギンナンは大変おいしいもので、イチョウの葉も嫌な臭いがなく、お茶に煎液、エキス、料理と使いやすい薬草です。

ただし、ギンナンは、青酸配糖体という物質を含むため、食べ過ぎると中毒を起こす場合があります。イチョウの葉も微量ですが青酸配糖体を含んでいるので、1日15gを限度とし、それを超えないように注意しましょう。

イチョウの葉の粉末の作り方

【用意するもの】
・イチョウの葉(50枚程度)

【作り方】
イチョウの葉を水洗いして水気を切る。電源を入れたホットカーペットの上に新聞紙を敷き、イチョウの葉を並べて数日乾燥させる。
乾燥したら、めん棒やミキサーなどで粉末にして、保存容器に入れて保管。

画像: イチョウの葉の粉末の作り方

【イチョウの葉の粉末使い方】
料理にかけたり、お茶に入れたりする。小さじ1(5g)を1回量の目安にして、1日3回に分けると使いやすい。1日15g以上はとらないようにすること。

画像: この記事は『安心』2020年12月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2020年12月号に掲載されています。

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