著者のプロフィール

久保 明(くぼ・あきら)
医学博士。医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長。東海大学医学部医学科客員教授。元厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。
1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。帰国後、一貫して生活習慣病診療、予防医療とアンチエイジング医学に取り組む。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、東海大学医学部付属東京病院で「抗加齢ドック」を立ち上げ、現在は医療法人財団百葉の会 銀座医院など都内で診療を行う。『名医が教える!週に1度食べないだけで体の不調はリセットできる』(日東書院本社)、『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める 老化指標を改善する28のステップ』(講談社)など著書・監修書多数。
▼銀座医院(公式サイト)
▼学歴・職歴(久保明事務所)
▼専門分野と研究論文(CiNii)
本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
クイズ
健康効果を高める
サウナ浴の最適な回数とは?
A 週0回
B 週1回
C 週2~3回
D 週4~7回
サウナ浴で体を温める習慣で
突然死のリスクは遠ざかる!
昨今、日本でもサウナ浴が人気ですが、サウナはもともとフィンランド式の蒸し風呂。サウナ浴で体を温めた後にシャワーや水風呂で体を冷やす温冷交代浴を行うのが慣例です。こうした入浴法が心血管疾患や死亡率と関連があるのかどうか、サウナ浴の本場・東フィンランド大学のロッカネン博士らによる調査(※1)が行われました。
対象はフィンランドに住む42〜60歳までの健康な男性2315人。約20年間のデータをもとに調べたところ、突然死率、冠動脈疾患死亡率のいずれにおいてもリスクの低下が見られました。
突然死については、サウナ浴の頻度で分けると、週に2~3回の人で20~30%低下、そして週に4~7回では60%低下という結果に。また、ロッカネン博士は「サウナ浴が認知症を予防する」という研究発表(※2)もしています。毎日サウナ浴をする人は、週1回以下の人に比べて軽度の認知症発症リスクが66%以下、アルツハイマー病になるリスクは65%低下という驚きの結果に。
こうした結果が日本人にそのまま当てはまるとは言い切れませんが、サウナ浴の健康効果として参考にできるでしょう。
サウナ浴で期待できる
健康効果
週1回サウナに入る人と週4〜7回サウナに入る人を比べると

イラスト/cycledesign
サウナに入った後に冷水に浸かるなどの温冷交代浴で、心臓機能の強化や血圧改善などの健康効果が期待できる。
注意 論文研究のフィンランドは低温(80℃程度)の湿式サウナだが、日本のサウナは高温(100℃近い)の乾式サウナなので、心臓に持病のある人は注意して。

イラスト/cycledesign
※出典 Tanjaniina L, et al.(2015)
クイズの答え
D
「ととのいました!」で話題のサウナ浴で、ぜひみなさんも心身を整えて!
※クイズの回答は、今後の研究等により変更になる可能性があります。
※出典 ※1)Tanjaniina L, et al. Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events. JAMA Intern Med.2015;175(4):542-8./※2)Tanjaniina L, et al. Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer's disease in middle-aged Finnish men. Age and Ageing. 2017;46(2):245-9.
なお、本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※⑳「中高年と成長ホルモンの関係」はこちら