著者のプロフィール

久保 明(くぼ・あきら)
医学博士。医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長。東海大学医学部医学科客員教授。元厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。
1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。帰国後、一貫して生活習慣病診療、予防医療とアンチエイジング医学に取り組む。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、東海大学医学部付属東京病院で「抗加齢ドック」を立ち上げ、現在は医療法人財団百葉の会 銀座医院など都内で診療を行う。『名医が教える!週に1度食べないだけで体の不調はリセットできる』(日東書院本社)、『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める 老化指標を改善する28のステップ』(講談社)など著書・監修書多数。
▼銀座医院(公式サイト)
▼学歴・職歴(久保明事務所)
▼専門分野と研究論文(CiNii)
本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
クイズ
死亡率が最も低い
健康的な通勤手段とは?
A バス
B 徒歩
C 自動車
D 自転車
自転車通勤で死亡率が
24〜41%減という報告も
あなたは毎日どのような手段で通勤や外出をしていますか? 毎日の移動手段と健康管理との関係がわかるのが、イギリスで26万人以上を対象に5年間にわたって通勤手段と心血管疾患やがん、全死亡率との関係を調査したデータです。
参加者を大きく徒歩通勤、自転車通勤、車や公共の交通機関での通勤の3グループに分けて調べたところ、自転車通勤のグループは心血管疾患、がん、全死亡率のいずれにもリスクの低下が見られ、全死亡にいたっては24~41%減少という結果に。徒歩通勤では自転車通勤ほどではないものの、心血管疾患の発症リスクが低下しました。
スポーツジムにエアロバイクがあるように、自転車は有効な有酸素運動です。運動が億劫な人でも座ったまま楽に行えて、腰やひざなどにトラブルを抱える方にも負担が少ないのでおすすめです。自転車通勤が難しい場合は、通勤の一部に自転車を利用するだけでも効果が期待できるでしょう。
新型コロナの影響で、公共交通機関での通勤や外出を控えようと自転車での移動が注目されています。ぜひ、この機会に健康維持のためにも自転車通勤を始めてみては。
自転車通勤の
優れた健康効果
自転車はウォーキングに比べて太ももの筋肉を鍛えるのに有効で、中高年の運動不足解消におすすめ!
健康効果①
心血管疾患やがん、総死亡のリスクを減少。
健康効果②
健康&ダイエット効果の高い有酸素運動。
健康効果③
体に負担が少なく、中高年でも続けやすい。

イラスト/cycledesign
クイズの答え
D
毎日の通勤時間も運動の一環ととらえて、アクティブに過ごそう!
※クイズの回答は、今後の研究等により変更になる可能性があります。
※出典 Carlos ACM, et al. Association between active commuting and incident cardiovascular disease, cancer, and mortality: prospective cohort study. BMJ. 2017;357:j1456.
なお、本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※⑬「サルコペニアと歩行速度の関係」はこちら