著者のプロフィール

久保 明(くぼ・あきら)
医学博士。医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長。東海大学医学部医学科客員教授。元厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。
1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。帰国後、一貫して生活習慣病診療、予防医療とアンチエイジング医学に取り組む。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、東海大学医学部付属東京病院で「抗加齢ドック」を立ち上げ、現在は医療法人財団百葉の会 銀座医院など都内で診療を行う。『名医が教える!週に1度食べないだけで体の不調はリセットできる』(日東書院本社)、『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める 老化指標を改善する28のステップ』(講談社)など著書・監修書多数。
▼銀座医院(公式サイト)
▼学歴・職歴(久保明事務所)
▼専門分野と研究論文(CiNii)
本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
クイズ
肥満大国アメリカで
医師や専門家が勧める
ダイエット法とは?
A 朝食を抜く
B 1日おきのファスティング(断食)
C 食事の前に水を飲む
D 夕食を抜く
1日おきのファスティングで
効率良くダイエットを
肥満は見た目の問題だけではなく、心臓に負担を与えてしまうため注意が必要です。そこでアメリカ心臓協会(AHA)が心血管疾患を防ぐことにつながる食事法を発表しました。その内容は、夜間の食事を控えてカロリー摂取の中心はなるべく午前中にすること、1日おきなど間欠的にファスティングを行うことなどが挙げられます。
注目はこの「ファスティング」です。日本語では「断食」と訳され、修行めいた響きとともに苦痛を強いられるイメージがありますが、ファスティングは食べ方のコントロール法のひとつ。過度な肥満に悩む人が多いアメリカでは、その効果やメカニズムまで幅広く研究が進んでいます。医師のもとで適切に行えば中性脂肪の数値を下げ、コレステロール値や血糖値などに悪影響を与えず健康的に痩せることができます。
アメリカで過度な肥満の人に向けて推奨されている間欠的なファスティングは、食事をとる日と水分以外の食べ物を一切とらない日を交互に続けるという方法です。実践するにはハードルが高いと感じる人は、週末にのみ食事を抜いてみる「プチ断食」に取り組んでみてはいかがでしょう。
心血管疾患を防ぐ
食生活のポイント
1日の食事量のカロリーをバランスよく配分して、食欲をうまくコントロールするのがポイント。
- 朝食を抜かない
- 高カロリーの食品は
朝食か昼食で食べる - 夜遅い時間の食事は控える。
夕食後は何も食べない - 1日おき、あるいは週1~2回
のファスティング(断食)を行う
クイズの答え
B
ダイエットはもちろん健康維持のために、夕食はなるべく軽めに!
※クイズの回答は、今後の研究等により変更になる可能性があります。
※出典 Marie-Pierre SO, et al. Meal Timing and Frequency:Implications for Cardiovascular Disease Prevention: A Scientific Statement From the American Heart Association. Circulation. 2017;135(9):e96–e121.
なお、本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※⑩「噛むこととダイエット効果の関係」はこちら