著者のプロフィール

久保 明(くぼ・あきら)
医学博士。医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長。東海大学医学部医学科客員教授。元厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。
1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。帰国後、一貫して生活習慣病診療、予防医療とアンチエイジング医学に取り組む。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、東海大学医学部付属東京病院で「抗加齢ドック」を立ち上げ、現在は医療法人財団百葉の会 銀座医院など都内で診療を行う。『名医が教える!週に1度食べないだけで体の不調はリセットできる』(日東書院本社)、『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める 老化指標を改善する28のステップ』(講談社)など著書・監修書多数。
▼銀座医院(公式サイト)
▼学歴・職歴(久保明事務所)
▼専門分野と研究論文(CiNii)
本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
クイズ
2型糖尿病の発症リスクを
最も警戒すべき血液型は?
A A型
B B型
C O型
D AB型
B型はO型よりも
糖尿病のリスクが1.2倍高い
血液型によって病気のかかりやすさに違いがあると言ったら驚きますか?
世界的に増加傾向にある糖尿病の罹患リスクを血液型別に調べた研究があります。フランスの研究チームが18年にわたって約8万2000人の女性を対象に調査したところ、2型糖尿病の罹患リスクが最も低いのはO型という結果が出たのです。
O型を基準にして具体的な発症率で比べると、A型は1.1倍、B型は1.2倍で、AB型はO型と大きな差が見られなかったため、B型が最も糖尿病の罹患リスクが高いということになります。これは「コホート研究」といって、特定の集団を一定期間観察し続けた調査です。食文化の異なる海外のデータであり、対象が女性限定であるため、そのまま日本人に当てはまるとは言えません。しかし、血液型によって何らかの違いがあることがうかがえます。
2型糖尿病は、おもに生活習慣などの影響で血糖値の高い状態が続き、さまざまな合併症を引き起こす生活習慣病のひとつです。血液型による罹患リスクの違いがはっきりしてくれば、健康維持の方法も血液型ごとにより具体的になるでしょう。
40歳以上でB型の人は
糖尿病に注意!
2型糖尿病とは?
●遺伝的な要因に食べすぎや運動不足、肥満などの生活習慣が加わって発症する。
●糖尿病患者の95%以上がこのタイプで、40歳以上の中高年に多い。
自分の血液型を変えることはできないが、生活習慣を変えることで糖尿病は予防できる!

イラスト/cycledesign
クイズの答え
B
血液型のせいにせず、定期的に血糖値を検査して現状を知ろう!
※クイズの回答は、今後の研究等により変更になる可能性があります。
※出典 Guy F, et al. ABO and Rhesus blood groups and risk of type 2 diabetes: evidence from the large E3N cohort study. Diabetologia. 2015;58(3):519-22.
なお、本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。
※②「不健康な食事と寿命の関係」はこちら