世界的な研究によって、不健康な食事に関連した死亡数は、喫煙などの危険因子による死亡数よりも多いことがわかりました。とりすぎ、不足の食品を知って、「健康的な食事習慣」を目指しましょう。【解説】久保 明(医学博士)

著者のプロフィール

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久保 明(くぼ・あきら)

医学博士。医療法人財団百葉の会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長。東海大学医学部医学科客員教授。元厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。
1979年慶應義塾大学医学部卒業。1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。帰国後、一貫して生活習慣病診療、予防医療とアンチエイジング医学に取り組む。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、東海大学医学部付属東京病院で「抗加齢ドック」を立ち上げ、現在は医療法人財団百葉の会 銀座医院など都内で診療を行う。『名医が教える!週に1度食べないだけで体の不調はリセットできる』(日東書院本社)、『人気の「これだけ健康法」が寿命を縮める 老化指標を改善する28のステップ』(講談社)など著書・監修書多数。
▼銀座医院(公式サイト)
▼学歴・職歴(久保明事務所)
▼専門分野と研究論文(CiNii)

本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。

クイズ
世界で年間に
1,100万人の命を奪う
最も危険な要因とは?

A 喫煙
B 不健康な食事
C 高血圧
D 運動不足

過剰な塩分、野菜不足が
寿命を縮めるという証拠が!

世界で年間5人に1人の割合、数にして1,100万人も亡くなる原因が、病気などではなく「不健康な生活習慣」であったという驚きの調査結果があります。

報告したのは複数の研究機関が共同で発表している「世界の疾病負担研究(GBD)」です。ワシントン大学のクリストファー・マリー教授が中心となり、195カ国のデータから食事に関する15の危険因子を調べた結果、「塩分のとりすぎ」や「全粒穀物の不足」「果物の不足」などの〝不健康な食事〟が問題になると指摘。これらは死亡率を高め、健康寿命に支障を与えるとしています。

言うまでもなく喫煙や高血圧、運動不足なども、死亡原因につながる要因になります。しかし、世界的な研究によって、不健康な食事に関連した死亡数は、喫煙などの危険因子による死亡数よりも多いことがわかったのです。

塩分多めの濃い味付けが好き、白米を毎日たらふく食べている、果物は苦手であまり食べないというような食習慣を続けていると、あなたの大切な命が奪われる原因となりかねないことをお忘れなく!

研究で着目した食事に関する
15の危険因子

とりすぎの食品

  • 赤身肉・加工肉
  • 加糖飲料
  • トランス脂肪酸
  • 塩分

足りない食品

  • 果物
  • 野菜
  • 豆類
  • 全粒穀物
  • ナッツ類
  • 牛乳
  • 食物繊維
  • カルシウム
  • 魚由来のオメガ3脂肪酸
  • オメガ6多価不飽和脂肪酸

不健康な食事と最も関係が深かったのは心血管疾患で、がん、糖尿病がこれに続く。

画像: イラスト/cycledesign

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クイズの答え

B
とりすぎ、不足の食品を知って、「健康的な食事習慣」を目指そう!

※クイズの回答は、今後の研究等により変更になる可能性があります。

※出典 GBD 2017 Diet Collaborators. Health effects of dietary risks in 195 countries, 1990-2017: a systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017. Lancet. 2019;393(10184):1958-72.

なお、本稿は『最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。詳しくは下記のリンクからご覧ください。

画像: 【健康情報クイズ】食事と寿命の関係 過剰な塩分、野菜不足が寿命を縮める 最新医学でわかった新常識
最新医学でわかった新健康常識 カラダに良いこと 悪いこと
¥1,210
2020-12-07 10:44

※①「健康情報を正しく理解しよう」はこちら

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