我が家では週に2回ほど、朝食に鹹豆漿を出しています。「朝に食べやすく、おいしい」と、皆に好評です。夫は「酢をとると元気になるね」と、疲労回復効果を感じているようです。私自身も、肩こりが解消し、年齢的には更年期に入りますが、これといった不調もなく元気に過ごしています。【体験談】川浦智子(一般社団法人日本糀文化協会代表講師・料理研究家)

酢がたっぷりとれる!台湾で感激したおいしさ

私は高校生のとき、発酵食の一つである酢に、救われた経験があります。

陸上部だった私は、過酷な練習で貧血になり、骨密度も低下しました。どんなに練習しても、タイムが伸びません。

不調に気づいた母が、酢と果物、ハチミツを混ぜたドリンクを作り、持たせてくれるようになりました。するととたんに疲れなくなり、貧血が解消。骨密度も人より上がり、いいタイムを出すことができました。

そんな経験もあり、酢をもっとたっぷり、食事からとることができればと思っていました。

 
豆乳に酢を加えたスープ「鹹豆漿(シェントウジャン)」に出合ったのは、台湾です。旅行した際に初めて口にし、ほどよい酸味とまろやかなおいしさに感激しました。

自己流で作り、台湾の友人に食べてもらったところ「まさにこんな感じ!」とお墨付きをもらい、レシピができました(下記参照)。鹹豆漿が、台湾では定番の朝食メニューだということは、のちに知ったのです。

最初のうちは、豆乳を沸騰させて失敗しました。温度が高過ぎるとボソボソした食感になってしまいます。豆乳が沸騰直前まで温まった時点で酢を入れると、おぼろ豆腐のようにふんわり仕上がります。

海外の料理を再現したレシピにありがちですが、「あの材料がないとできない」では、作る意欲が失せてしまうものです。

私は、ある食材が手に入りにくかったり、なかったりする場合は、別の物で工夫するのも楽しみの一つと考えています。

例えば、本場の鹹豆漿はザーサイやパクチー、ピーナッツが入ることが多いようです。けれども、ザーサイがなければ、旨みの出るハムやベーコンを入れても美味。パクチーのかわりに三つ葉、ピーナッツは、クルミやゴマで代用できます。

基本的には、無調整の豆乳と酢があれば、買い置きの乾物や冷蔵庫にある野菜など、何を入れても、おいしいものです。

川浦さんの鹹豆漿の作り方

画像: 川浦さんの鹹豆漿の作り方

【材料】(2人分)
無調整豆乳…400ml
酢…大さじ2
 薄口しょうゆ···大さじ1
 ザーサイ(ハムでも可。みじん切り)···10g
 万能ネギ(小口切り)···大さじ2
 桜エビ(乾)···小さじ2
ラー油(またはゴマ油)···小さじ1
 三つ葉(またはパクチー。2cm長さに切る)···適量
 ゴマ(またはナッツ類)···大さじ1
 油揚げ(こんがり焼き1cm幅に切る)···1/6枚

【作り方】
豆乳を小鍋に入れて弱火で温め、沸騰直前(90度くらい)になったらⒶを入れ、軽くかき混ぜる。
ふんわりと固まったら器に盛り、Ⓑをトッピングする。

疲れが取れて内臓脂肪も減少

我が家では、週に2回ほど、朝食に鹹豆漿を出しています。「朝に食べやすく、おいしい」と、皆に好評です。

夫は仕事が忙しく、いつも疲れぎみでしたが、鹹豆漿を食べるようになり、「酢をとると元気になるね」と、疲労回復効果を感じているようです。

通っているジムの計測器で、2年前にレベル20だった内臓脂肪は、12に減少しました。体脂肪率も、3%近く減少。ほかに何も変えていないので、「鹹豆漿さまさま」と話しています。

社会人と大学生の息子たちも「疲れが取れるから」と、好んで鹹豆漿を食べたがります。

もちろん私自身も、鹹豆漿のおかげで快調です。かつては、多忙な日に肩こりを感じることがありましたが、それも解消しました。年齢的には更年期に入りますが、ありがたいことに特にこれといった不調もなく、元気に過ごしています。

私には、離れて暮らす母がいますが、検査で骨密度の低さを指摘され骨粗鬆症を心配していました。そこで鹹豆漿を勧めたところ、1.9g/㎠だった骨密度が1年ほどで2.2g/㎠に改善し、喜んでいました。

私の鹹豆漿のレシピをよく作ってくれているかたからは、ご主人のコレステロール値や内臓脂肪値が減少した、といったうれしい報告も受けています。

画像: 「肩こりも解消!」と川浦さん

「肩こりも解消!」と川浦さん

今でこそ、発酵料理の講座を開いたり、レシピ考案や商品開発を手がけるようになりましたが、私が発酵食に興味を持ったのは、20年ほど前。夫の転勤でさまざまな土地の郷土料理に出合ったのがきっかけでした。

酢やこうじなど、発酵食で作った手前調味料を活用するとおいしいうえに、調理の時短になります。保存性が高まるので食材を無駄にすることも減るなど、いいことづくめです。

もちろん、健康づくりに役立つのも、発酵食の大きな魅力。これからも、体にいいレシピを発信していきたいと思います。

女性ホルモンに似た働きで骨代謝を促進(南越谷健身会クリニック院長 周東寛)

酢の酢酸や豆乳に含まれるサポニンには、血管をきれいにして血圧を下げたり内臓脂肪を減らしたりする作用があります。

女性は更年期に女性ホルモンの分泌が急激に減少することでさまざまな不調が現れやすくなります。高齢の女性に多い骨粗鬆症も、その一つです。

豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをすることで、ホルモンバランスを調整。更年期の諸症状を軽減し骨代謝を促すので、丈夫な骨づくりにも役立ちます。

[別記事:酢豆乳で免疫アップ!高血圧、糖尿病を撃退→

画像: この記事は『壮快』2020年12月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2020年12月号に掲載されています。

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