新型コロナウイルス感染拡大の影響で、公私ともにオンラインで人と向き合う機会が増えました。筆者も、仕事ではオンラインでの会議や取材、友人ともオンラインでの飲み会が多くなっています。自宅にいても一応、着替えて、メイクをして、「人と会うモード」にしているつもりですが、果たして相手にはどのように映っているのでしょうか。今まで気づかないふりをしてきましたが、意を決して、自分の「オンライン映え」を確認しつつ、イメージコンサルタントの倉田貴枝さんにお話を伺って修正を試みました。前後写真に注目です。【解説】倉田貴枝(イメージコンサルタント)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

倉田貴枝(くらた・たかえ)

東京都港区出身。金融機関を結婚退職後、子育てをしつつ勉強を進め、イメージコンサルタント、スカーフスタイリスト、ミニマムメイクアップアーティスト等の資格を取得。美容系のサロンを営みながら、約15年で延べ5000人以上のイメージアップをサポート。「あなたの知らないあなたを目覚めさせる」がコンセプト。現在は、イメージコンサルティングでのノウハウを生かし、オンラインイベントの運営に数多く携わっている。
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窓を背にすると顔が怖くなります!

今回お話を伺ったのは、イメージコンサルタントの倉田貴枝さん。倉田さんは、カラー診断や骨格診断、メイクレッスンなどによって、「その人に合う色や形、質感」を引き出すプロです。コロナ禍になってからは、オンラインでの就活や婚活などの相談も増えているそう。

倉田さん、今日はオンラインならではの注意点について、いろいろと教えてください。

「はい。まず、いくら画面で顔が見えるといっても実際に会うよりは情報量が少ないので、より一層『見せ方』が重要になってきます。ちょっと逆説的ですが、『自然体』では、本来の自分には見えないんです」

どういうことでしょうか?

「まず、一般的にパソコンのインカメラは、画質があまりよくありません。顔の色や造作が、くすんでぼんやりしてしまうんです。さらに、照明の当て方によって、色飛びして薄くなったり、逆に影ができて暗くなったりします。また、皆さんキーボードを打ちやすい高さにパソコンをセットするので、カメラが目線より下なんですよ。そうすると、相手を見下ろしているような表情になって怖いんです」

なるほど。でも、それはみんな同じですから、仕方ない気がしますね。お互い様ということで。婚活なら頑張りますけど、顔見知りだけのzoom会議なら、あまり気にしないでいいのでは。

「うーん、そうですか? じゃあ、山崎さん、いつものzoom会議の感じでパソコンに向かってみてください」

はい、では、こんな感じで。倉田さん、どうですか?

「……山崎さん、こんなふうに映ってますけど……」

画像1: 窓を背にすると顔が怖くなります!

え?!なにこれ、怖い怖い!感じ悪い!倉田さん、これ、どうしましょう!

「まず、先ほど申し上げた、カメラの位置ですよね。目線より下にあるので、どうしても見下ろしてにらんだ感じになってしまうんです。パソコンのインカメラの位置を目線の高さになるようにしましょう。丈夫で安定した箱のようなものを、パソコンの下に入れてカメラの位置を調整してください。パソコンを使う部屋に常備しておくといいですよ」

なるほど。了解です。辞書の上にパソコンを乗せればいいかな。
あと、顔の影がひどいですよね。ものすごく落ち込むんですけど……。

「これも先ほどご説明した、照明の関係です。光の入る窓に近づきすぎて、逆光になっています。もっと離れてください。さらに、顔に照明を当てるといいですよ。電気スタンドでいいんです。1つでもいいですが、左右と正面、合計3つあると影ができづらくなります。今日は2つ当てましょう」

画像2: 窓を背にすると顔が怖くなります!

おお。ようやく「人」の顔になりました。よかった。
でも、まだなんとなく暗いというか、元気がない感じですね。気のせいかしら。

「気のせいじゃありませんよ。洋服とメイク。これもオンラインならではの工夫が必要なんです」

服は「色」「形」「サイズ」が肝心

私の今日の服装、変ですか?ベージュのブラウスにグレーのジャケット。ちゃんとしたつもりですが。一応、メイクもしています。

「洋服から説明しますね。まずは色。トップスの色は顔に反射します。明るい色の服を着ると顔色が明るくなり、暗くくすんだ色を着ると顔色が悪く見えてしまいます。グレーのツイードジャケットは素敵でお似合いですが、オンラインのときは避けたほうがいいですね。おすすめは白や明るい暖色(ピンクやオレンジ)。明るくても薄い色だとオンラインでは色味がわかりづらいので、少しだけ濃いめの色を選ぶのがコツです」

私は、明るい色のピンクやオレンジは持っていないので、白になりそうです。白を着るときに注意することはありますか?

背景を真っ白にしないことです。洋服と背景が同化して、生首状態になります。私のプロフィール写真を見てください。これは『悪い例』なんです(笑)。でも、ご自宅でスタジオのように背景が真っ白ということはないと思うので、まず大丈夫でしょう。バーチャル背景を使ってもいいですしね」

はい、わかりました。白のジャケットに着替えますね。

「あ、ちょっと待ってください。洋服の形とサイズについてもお話しします。洋服のデザインや組み合わせって、トータルで完成しますよね。袖口はぴったりで襟元はゆったりとか、トップスは大きめでボトムスはタイトとか。でも、オンラインで見えるのは、胸元まで。ですから、胸元が開いていたり、肩が落ちていたりすると、だらしなく、くたびれた印象になりがちなんです。ジャケットの下に着ているブラウスも、もっと襟元が詰まったデザインの方がいいですよ」

メイクは眉と目、唇をハッキリ3割増しに

一応、今日は普通にメイクしているんですが、オンライン用のメイクは普段とは変えたほうがいいのでしょうか?

「はい。先ほどもご説明したように、カメラ越しだと顔の色や造作がぼんやりしてしまいます。実際に対面するときのメイクは『肌の質感』を重視するのですが、オンラインの場合はポイントメイクに力を入れてください」

あのー、私わりと顔が濃いめで、へたにメイクすると舞台俳優のようになってしまうんですが……。

「舞台俳優くらいでちょうどいいかもしれません。普段の3割増しを目指してください。画面越しだと、まゆ毛が薄くなって、ほとんど見えないこともあります。まゆ毛はアイブロウでしっかり強調しましょう。アイライナーも必須です。目が大きくてはっきりした人でも、アイラインはしっかり入れた方がイキイキと見えますよ」

そうなんですね。アイメイクはほとんどしないので、うまくできるかなあ……。
唇はどうですか?今日はピンクベージュの口紅を塗っていますが。

「唇、大事ですよ。オンラインでは、唇で顔全体の印象が決まるといっても過言ではありません。ベージュ系の口紅は、リアルで見るときれいなんですけど、画面越しだと何も塗ってないように見えて、『スッピン感』が増してしまうんです。オンラインのときは、ハレの席でつけるような、華やかで明るく濃い色味の口紅をつけましょう。そして、最後のポイントはグロス。アラフィフ世代にグロスはNGなんですが、オンラインのときはぜひ使ってください。ツヤ感がちょうどよく映って、若々しく見えます」

あと、チークはどうしましょう?一応、サッと入れているんですが、画面越しだと全くわからないですね……。

「チークも3割増しです。『これじゃ外に出られない』ほど濃いめでちょうどいいくらいです」

そうですか。勇気を振り絞ってやってみます!

血色がよくなってようやく本来の顔色に

服を替えて、メイクもアドバイスに添って濃いめにしてみました。いかがでしょうか?
  

画像: 血色がよくなってようやく本来の顔色に

自分で言うのもナンですが、顔色が格段によくなりました。というか、ようやく本来の顔色になった!というのが正直な感想です。ジャケットの色とブラウスの襟元も、替えてよかった。少なくとも「怖い」「感じ悪い」という印象は薄れました。

「そうなんです。オンラインのときのメイクは、ちょっと派手くらいがちょうどいいと思ってください。ただし、外に出るときはお化粧を少し落として薄くするのを忘れずに。お洋服も替えて成功でしたね。白いトップスは顔に光を反射させる効果があるので、顔色がより明るくなります。ブラウスの襟元も、これくらい詰まっていた方がきちんと見えますね」

ありがとうございました!近々、趣味のオンライン講座を受ける予定なので、初対面の先生を怖がらせないように、今回教わったポイントを抑えて臨みたいと思います。

まとめ

いかがでしたか?私はこれまで、職場のzoom会議も友人とのオンライン飲み会も、通常メイクでした。しかも、PCを置く位置は「周りに家族がいないこと」を優先していたので、窓を背にした廊下の端だったりして……。今回、相手側に映っている自分の姿を見て、背すじが凍りました。ちょっとした工夫で、見え方は格段に変わります。皆さんもぜひ参考にしてください。

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