著者のプロフィール

Arisa(ありさ)
愛知医科大学を卒業後、国内で医師として働き、語学留学をきっかけにカナダ・バンクーバー移住を決意。ヨガに出会い、体と心の繋がりに興味を持つようになる。バンクーバーでマッサージセラピストとして8年の経験を経て、ヨガイントラクターとしての活動を開始。医師、マッサージセラピストの経験を通して培った専門知識を入り交えてのヨガクラスは、わかりやすく効果があると人気に。「ヨガは特別なものではなく、幸せに自分らしく生きていく手段のひとつ。もっと身近なものにして、多く人が自分の体と心と向き合える時間を提供したい」という思いからYouTubeチャンネル、Wellness To Goを開設。オンラインでヨガクラスを展開する他、ボディのセルフケア方法、毎日を気持ちよく過ごせるたくさんのヒントを配信中。
▼Wellness To Go(公式サイト)
▼@arisavancouver(Twitter)
本稿は『バンクーバー式 ウェルネスヨガ』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。
マインドフルネスとは?
はじめまして、Arisaです。日本で医師であった私は、違う世界が見たくてカナダに渡り、縁もありバンクーバーに住むことになりました。自然あふれる街でヨガに出会い、スローダウンをすることで、毎日を心地よく、自分らしく過ごせるようになりました。
ヨガをしているときは、日常生活で外向きになっている意識を自分の内へと向け、「今ここ」に集中します。だからなのか、ヨガをした後はマインドがクリアになり、五感が鋭くなったような気がするのです。このような過程を、「マインドフルネス」という言葉であらわすことがあります。スタジオを出たときの新鮮な空気とか、夏のきれいな青空、新緑の鮮やかな緑とか。温かい太陽の光や、近くのカフェの焼き立てのクロワッサンの香りもそう。そして、まわりで支えてくれている人たちの存在の大きさにも気づきます。日常の小さなことにも、感謝を感じられるようにもなりました。
そうしているうちに、より多くの人たちが1日5分でも体と心が緩み、心地いいと感じられる時間を作れるように、2013年から『Wellness To Go』というブログを始め、2014年からYouTubeでヨガやセルフケアをシェアするようになりました。Wellness(ウェルネス)とは、より豊かに生きるための方法や過程を言います。タイトルは、豊かに生きようと、そのために気づき、学び、チャレンジしていくことを表しています。

バンクーバーでは、Well-Being(幸福・安寧)を高める手段のひとつとして、ヨガは多くの人のライフスタイルに取り入れられています。ヨガはこうでなければいけない、体が柔らかくないとできないという考えがある人もいるかもしれませんが、それは違います。スローダウンをし、意識を内側へ向ける時間。体の動きを感じ、呼吸の音を聞く時間。自分の体と再コネクトし、体、心、精神を整えていく時間。それがヨガです。たとえクラスを受講する時間がなくても、日常から離れる自分だけのオアシスを1日5分作るだけで、ストレスとも上手につきあっていけるのです。
ここでは、誰もが日常生活に取り入れやすいように、短時間で効果的に心身が整うヨガポーズをご紹介しようと思います。感覚でその日行うヨガを選んでもいいし、なんとなく眺めているだけでもいい。そして、ヨガはこうでなければいけないという考えを手放し、10人いたら10人違う、あなたが気持ちいいと感じる、あなたのヨガを見つけていってください。さらには、パートナーやお子様、ご家族を誘って寝る前に一緒に1ポーズするなど、ヨガが特別なものではなく、みなさんのライフスタイルに融合しやすくなることを願っています。
一瞬で気持ちが落ち着く、
魔法の呼吸法
ヨガをするには、気持ちが安定していることがとても大切です。ヨガを始める前に気持ちをフラットにし、自分を取り戻しましょう。

自分の軸に戻る「4 Count Breath」
「4 Count Breath」と呼ばれるこの呼吸法を行うと、気ぜわしい状況の中でも心を穏やかな状態に戻し、自分の軸に戻ることができます。「Tactical Breathing」とも言われ、警察官や消防士など、ストレスレベルが高い職業の人たちも実践しているものです。
やり方はとっても簡単。息を吸う、息を止める、息を吐く、息を止める。この4つの動作を、それぞれ4秒ずつ行うだけです。
ここでは、目を閉じてゆったりと行うやり方をご紹介しますが、目は必ずしも閉じていなくても構いません。歩きながらでも、電車やバスの中でもオフィスででも、どこででもできます。
忙しくて息をつく暇もない! なんて言わずに、ぜひやってみてくださいね。
魔法の呼吸法「4 Count Breath」のやり方
①口から息を全部吐く。吐き切ったら目を閉じる
②4秒かけて鼻から息を吸う
③4秒間息を止める
④4秒かけて息を吐く。鼻からでも口からでもOK。
⑤4秒間息を止める
⑥2〜5を4回以上繰り返す
終わるときは、鼻から大きく呼吸してから、大きく息を吐き出して目を開け、ゆっくりと楽な呼吸に戻しましょう。
▼動画へのアクセスはコチラから(YouTube)
一瞬で気持ちが落ち着く!魔法の呼吸法☆4カウントブレス | Wellness To Go by Arisa
www.youtube.com初心者でもできる、
マインドフルネス瞑想法
呼吸が整った後は、瞑想にチャレンジ。心の準備も、事前に環境を整えることも必要ありません。ただ自分を観察して、自分に向き合ってみましょう。

マインドフルネス瞑想法のやり方
①座って楽な姿勢を取る(あぐらでもいいし、椅子に座ってもOK)
②自分のまわりを観察する。今いる場所を見渡して、そこにあるものをただ観察する
③鼻から大きく息を吸って口から吐く。2〜3回行う
④ゆっくりと目を閉じる
⑤体の重さを感じて、吐く息と共に骨盤を下へ落としていく
⑥今聞こえる音を聞いて、ただあるものとして受け入れる
⑦意識を自分の体へ。頭のてっぺんからつま先まで少しずつ意識を向けていき、緊張しているところ、リラックスしているところを感じて
⑧呼吸を観察する。呼吸に合わせて体がどう動いているか意識を向ける。呼吸を深くしたりせず、ただ自然な呼吸を追っていく。もし頭に思考が現れたら観察して、体の動きに意識を戻して
⑨マインドをフリーに。頭の中で自由に思考がめぐるままにする
⑩最後に、鼻から大きく息を吸って口から吐いて、ゆっくりと目を開ける
▼動画へのアクセスはコチラから(YouTube)
初心者向け、5分マインドフルネス瞑想-簡単な方法 | Wellness To Go by Arisa
www.youtube.com5分で簡単、どこででもできるマインドフルネス瞑想法
「瞑想=無になる」というイメージがあるかもしれませんが、人は簡単には無になれません。瞑想中は思考がたくさん出てきますが、それは自然なこと。思考を止めるのではなく、ただそれを観察してください。
瞑想を終えたら、動き出す前にマインドの状態を観察してみましょう。ぱっと霧が晴れたように感じることもあれば、何も変わらないこともあるでしょう。それでもいいので、無理せずに続けてみてください。少しずつ観察する練習をしていくと、そのうちに思考がなくなることも出てきますよ。
なお、本稿は『バンクーバー式 ウェルネスヨガ』(永岡書店)から一部を抜粋して掲載しています。下記の本は、知りたい情報の全文がコンパクトにまとまった一冊です。詳しくは以下のリンクをご参照ください。