「美尻女医」の筋トレにチャレンジ
私はいわゆる「下半身デブ」「安産型」と言われる体型で、ジーンズやタイトスカートは途中でつかえて上がらない。若いころから、そんな体型がコンプレックスでした。
年を重ねて公私ともに忙しくなり、メンタルが強化されたこともあって、自分の外見へのコンプレックスはずいぶん和らぎました。そもそも、足やおなかは目に入りますが、お尻は直接見えないので「ないもの」として生活できるのです。
一方で、お尻の形は、その人を若く見せたり、逆に老けて見せたりする重要な部位であることも理解しています。テレワークが続き、運動不足に加えて座りっぱなしの生活。私のお尻は(見えないけれど)今まで以上に垂れ下がっているに違いない……。
そんなとき、「美尻女医」の肩書を持つ米村美智子先生を発見!
米村先生の著書『人生が輝き出す! 美尻女医のボディメイク術』(マキノ出版)を参考に、美尻になるための筋トレにチャレンジすることにしました。

表紙は先生のお尻です。丸くキュッと上がった理想的な形
著者の米村美智子先生は、もともと運動嫌いでしたが、40歳のときに一念発起してトレーニングを開始。体重は8キロ、体脂肪率は17%も減り、美しくシェイプアップしました。現在は、医師&フィットネスモデル&ボディメイクトレーナーとして活動しています。

米村美智子(よねむら・みちこ)
医師・フィットネスモデル・ボディメイクトレーナー。女性専用パーソナルボディメイクジム「BRAVE Bodymake」代表。ベストボディ・ジャパン2019日本大会フィットネスモデル部門グランプリ。ベストボディ・ジャパン2020日本代表。藤田医科大学医学部医学科卒業。精神科医として勤務後、自身のグルテン不耐性に気づき、2015年に(株)テンシノニワを設立。その後、小麦を使わない健康的なグルテンフリーのケーキ店や、女性を勇気づけるパーソナルボディメイクジム「BRAVE Bodymake」を名古屋市内にオープン。「BRAVE Bodymake」では、医師の視点から筋トレと食事法を指導し、美を追求する女性たちのボディメイクやダイエットをサポートしている。
▼BRAVE Bodymake(公式サイト)
▼美尻女医 米村美智子(Instagram)
私のお尻はなぜ四角いのか?
さて。トレーニングを始める前に、自分のお尻の現状を知ることにしました。自分の脚が太いのはわかる。おなかが出ているのも見える。でも、お尻はほんとうに大きいだけなのか?「もしかしたら大きいばかりじゃなく、変な形になっているかも」と思ったのです。
誰もいないリビングでセルフタイマーをセットし、自分の後ろ姿を写真に撮りました。

四角い……。丸くなるはずの場所が削げている。なぜ?
大きいとか小さいとか以前に、変な形だ。まるで、育ち過ぎたピーマン。
私はこんなお尻を見せながら、街を歩いていたのか。
ショック。
横からも撮ってみました。

あああ……!
消えたい。
なんで太ももが前にモリモリせり出しているんだろう。
そして、お尻と太ももの境がない。一体どこまでがお尻なのだ?
さらに、ものすごい「反り腰」です。
お尻が硬くこり固まって動かない
いや、原因はわかっているんです。
8年前にギックリ腰をやらかして以来、たまに腰が痛くなります。私の場合、朝の起き抜けに、お尻の筋肉が固まっていて、腰が曲がらないタイプ。靴下をはくのがつらい。けっこう困ります。
以前、鍼灸師の先生に「お尻が硬くて鍼が入らない。先日来たボクサーのお尻より硬い」と言われたことがありました。筋肉がこり固まって、鍼灸用の細い針が入らなかったのです。
先生曰く、「お尻の筋肉が硬いと股関節が動かず、太ももの前の筋肉を使ってしまうから、前ももが盛り上がる。使わないお尻の筋肉は収縮して、腰を引っ張るから腰が痛くなる」とのこと。「お尻と太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)を柔らかくして、動かしましょう」と諭されました。
週1で通っているストレッチスタジオのトレーナーからも、「鋼鉄のお尻」と言われています。股関節を動かす体操を教わり、自宅でやっていますが、効果は今一つ。
つまり、私のお尻は筋肉がこり固まって、機能していないので四角い。その代わりにがんばって働いている太ももの前が、たくましく育ったということですね。これまでさんざん言われてきたことが、写真を見てよくわかりました。たぶん、反り腰もそのせいでしょう。
美尻筋トレ、まずは2種類やってみた
自慢じゃありませんが、私はズボラで、体を動かすのも嫌いです。正直言って、お尻を丸くするだけのために筋トレをするのは、ちょっとめんどくさい。でも、「四角いお尻」と「腰痛」の原因が同じだとわかったので、俄然やる気が出てきました。
本で紹介されている筋トレのうち、2種類を選んでやってみることにしました。
①丸いお尻と美脚をつくる「グルートブリッジ」
1つ目は、キュッと上がった丸い美尻を目指す「グルートブリッジ」です。お尻をぐっと引き上げることで、太ももの裏側と内側が鍛えられ、美脚効果も期待できるとのこと。願ったりかなったりです!
用意するものはゴムバンドとイス。ゴムバンドがなければ、ストッキングやタイツなど、伸縮性のある物で代用可能です。

①両ひざをつけて、その上にゴムバンドを巻く。かかとを椅子の上に置いて仰向けになり、ひざの角度が90度になるように位置を調整する。

②かかとをつけたまま、ひざから胸までがまっすぐになるようにお尻を持ち上げて2~3秒静止し、ゆっくり①の体勢に戻る。呼吸は、お尻を持ち上げる際に吐いて、下ろすときに吸うとよいが、難しければ特に意識しなくてもよい。30秒から1分の小休止を入れながら、①~②を10回×2~3セット行う。

やってみた感想
これまで私は、ハムストリングスを刺激する体操やストレッチをいろいろやってきましたが、このグルートブリッジは本当に効きます!やっている最中に、ハムストリングスがプルプル震えるほど。初めてやった翌日は、筋肉痛になりました。「効いてる感」があると、続きますよね。テレワークの合間に、ちょこちょこやっています。
②お尻の外側を鍛えて丸くする「アブダクション」
2つ目は、お尻全体を鍛えるトレーニングです。特に、お尻の外側を鍛えてボリュームを出す効果があるそう。お尻の横の「中殿筋」がつけば、四角いお尻が丸くなるかも!ピーマン尻からピーチ尻になれるかも!期待に胸が膨らみます。
用意するものはイスだけです。

①両ひじをイスについて四つんばいになり、ひざの角度が90度になるように位置を調整する。

②ひざを曲げたまま、骨盤を動かさないように左脚を上げて、ゆっくり戻す。呼吸は特に意識しなくてよい。30秒から1分の小休止を入れながら、①~②を10回×両脚2~3セット行う。

やってみた感想
この筋トレ、上半身を固定しているためか、お尻の筋肉がすごく動くんです。また、脚を上げるたびにわき腹にもギュッと刺激が伝わるので、ウエストにも効いている気がします。お尻が丸くなって、ウエストが締まったら、もう最高じゃないですか!こちらも、テレワークの合間に行っていますが、イスに圧迫されたお尻がほぐれて、気持ちがいいのです。「気持ちいい」も、続けるうえで大事ですよね。
2週間でお尻はどれだけ変わったか?
美尻筋トレを2週間続けたところで、再度、写真を撮ってみました。育ち盛りならともかく、アラフィフともなると2週間では効果が出ないだろうと思っていましたが、果たしてどうでしょうか。

左:トレーニング前→右:2週間トレーニング後
残念ながら、お尻の形にはまだ変化が見られませんが、なんとなく、太ももの付け根付近がスッキリした気がします。太もも外側の張り出しが小さくなって、内もものブヨブヨも減ったような……。
横向きの写真も撮ってみました。

左:トレーニング前→右:2週間トレーニング後
横から見ても、お尻にはあまり変化がないようです。ただ、なんとなく、太ももの前の張り出しが軽減した気がします。反り腰も改善してきているように見えますね。今後も美尻筋トレを続ければ、お尻にも効果が現れるかも!という希望の光が見えます。
お尻が柔らかくなり腰痛が出なくなった
週1回通っているストレッチスタジオでは、毎回、お尻の柔軟性をチェックします。イスに腰かけて、片方の足首を反対側の太ももに乗せ、前屈するのです。お尻の硬い私は、指先が床に着いたことがなく、「床まであと10㎝」の状態が続いていました。
ところが、美尻筋トレを始めて2週間、ストレッチスタジオで上記の前屈をしたところ、両手の中指の先が床に着いたのです。これにはトレーナーも私もビックリ!
もう一つの変化として、腰の不調が緩和したことが挙げられます。朝、腰が痛いとか、曲げられないということが少なくなりました。
また、以前はジョギングをしていても、10キロ以上走ると腰が痛くなり、脚が上がらなくなっていました。ところが美尻筋トレをするようになってからは、長く走っても腰痛が出ません。お尻の筋肉とハムストリングスを、うまく使えるようになったためかもしれません。
まとめ
「お尻の筋肉を動かす」ことは思った以上に気持ちよく、今では「やらないと気持ち悪い」と感じるほどになりました。米村先生によると「1日1種類の筋トレを5分やるだけでいい」とのこと。皆さんも、すきま時間を見つけて、お尻の筋肉を動かしてみてはいかがでしょうか。