通常、適正な歩幅は身長の45%とされています。健康のためには適正歩幅に近づけることが重要ですが、普段からそれをやっていると疲れてしまって長続きしません。そこで3拍子ウォークです。3歩目だけを少し大きい歩幅で歩くだけなら、誰でも無理なく行えます。【解説】山口マユウ(ウォーキングスペシャリスト)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

山口マユウ(やまぐち・まゆう)

ウォーキングスペシャリスト、一般社団法人日本DF WALK協会代表理事。「90歳になってもハイヒールのはける(ゴルフのできる)人生を」をモットーに、これまで6万人以上を指導。3歩目だけ歩幅を広げる「3拍子ウォーク」が、受講生に大人気。モデル、女優、各種企業、行政からの信頼も厚く、社員研修、講演も高いリピート率を誇る。2011年、第4回『ミセス日本グランプリ』40代グランプリ。靴のインソールもプロデュースし、テレビ通販では完売続出。
著書に『医者が絶賛する歩き方 やせる3拍子ウォーク』(ダイヤモンド社)がある。
▼一般社団法人日本DF WALK協会(公式サイト)

3歩目の歩幅を少し広げるだけ

私はウォーキング講師として、これまで6万人以上の方に、さまざまな歩き方を指導してきました。その中に、多くの人が「これはいい!」という歩き方があります。その歩き方とは、「3拍子ウォーク」です。

普通、歩く動作は2拍子で行っています。そこに、文字通り3拍子のリズムを取り入れたのが、3拍子ウォークです。

といっても、やり方はごく簡単。普通に歩きながら、「3歩目ごとに歩幅を少し広げる」だけ。とても簡単ですが、それでいて、健康効果や美容効果、体力増進などに役立つのが、3拍子ウォークの魅力です。

その原型になったのは、教室で行っているレッスンの中の「ボウリングウォーク」という歩き方でした。これは、3歩目ごとに、ボウリングの球を投げるポーズをする歩き方です。「短時間でもすごい運動量」「筋トレ効果もある」と、人気の高い歩き方ですが、難点は、普段の生活ではできないことです。

私は、ボウリングウォークのよさを生かしつつ、普段の生活に無理なく組み込める歩き方はできないかと模索しました。そしてたどり着いたのが、3拍子ウォークだったのです。

3拍子ウォークで、3歩目に広げる歩幅(かかとからかかとの距離)の目安は、手の人さし指1本分、8cm程度です。最初は5cmでも構いません。

通常、適正な歩幅は、身長の45%とされています。これだとわざわざ計算しなければならないので、簡易法として、「身長マイナス100」を目安にします。身長160cmなら、60cmが適正歩幅になります。

しかし、一般的には、適正歩幅で歩いている人はほとんどいません。皆さん、それよりも小さい歩幅で歩いています。健康のためには、適正歩幅に近づけることが重要ですが、普段からそれをやっていると、疲れてしまって長続きしません。

そこで3拍子ウォークです。リズムに乗って、3歩目だけを少し大きい歩幅で歩くだけなら、誰でも無理なく行えます。

しかも、「タン・タン・ターン」という独特のリズムに乗って歩くので、よく体が動いて、気持ちがハイになります。

やってみれば分かりますが、楽しく歩いているうち、自然にスピードが増して、適正歩幅に近づきます。駅や買い物への行き帰りなどにやっても、見た目の違和感はないので、日常生活の中に組み込んで行えます。

3拍子ウォークは、基本的には歩行運動なので、「脂肪の燃焼を促す」「心肺機能を高める」といった有酸素運動の効果が得られます。

また、3歩目だけ足をグッと伸ばすので、ストレッチ効果もあります。そのとき、後ろ足で強めに地面を蹴るので、筋トレ効果も加わります。さらに、「3歩目」を意識して歩くことで、脳が刺激されて「脳トレ効果」も得られるのです。

自然に背すじが伸び姿勢がよくなる

3拍子ウォークをとり入れている皆さんからは、さまざまな効果があったという声が寄せられています。以下に挙げてみましょう。

画像1: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

やせて太りにくくなる
有酸素運動+筋肉が増えることによる効果と考えられます。

O脚が改善される
衰えやすい内転筋(内ももの筋肉)を鍛える効果があり、O脚の改善に役立ちます。

ネコ背が解消してよい姿勢に
リズムに乗ることで、自然に背すじが伸び、姿勢がよくなります。

血流が促されて美肌になる
第2の心臓と言われるふくらはぎを使うので、血流がよくなり、肌ツヤもよくなります。

気持ちが前向きになる
独特のリズムでどんどん気持ちが前向きになり、自信がついてきます。

他にも、「疲れにくい」「肩こり・腰痛が改善」「小尻になってヒップアップ」「お通じがよくなり、下腹がへこんだ」などの声がよく聞かれます。

これまでの運動量がかなり少ない人が3拍子ウォークを始めると、最初は、股関節や足に痛みや違和感を感じることがあるかもしれません。その場合は、無理せず、らくに行える範囲の歩幅にしてください。

続けていれば、自然に歩幅が伸び、さまざまな効果も得られるようになります。

「3拍子ウォーク」基本のやり方

背すじを伸ばして行う。
「タン、タン、ターン」と、3拍子のリズムに乗って行う。
必ずかかとから着地する。
1日に30分以上を目安に行う。3回に分けてもよい。散歩のときや駅までの道、買い物のとき、家での移動時などにとり入れるだけでもOK。

画像1: 「3拍子ウォーク」基本のやり方

【1歩目】
両腕を90度に曲げ、普通に左足を1歩踏み出す。左腕は真後ろに引く。

画像2: 「3拍子ウォーク」基本のやり方

【2歩目】
普通に右足を1歩踏み出す。右腕は真後ろに引く。

画像3: 「3拍子ウォーク」基本のやり方

【3歩目】
通常より人さし指1本分(8cm)左足の歩幅を広げる。左腕は真後ろに引く。
左右反対にして、これをくり返す。
※きつい場合は、5cm程度広げることからスタート。

画像4: 「3拍子ウォーク」基本のやり方

【ポイント】
腕を伸ばして行ってもよい。その場合も、後ろに来た腕は真後ろに引くことを意識する。
目の前に、まっすぐな5cm幅の線があると意識し、その線の上をやや外股気味に歩く。

「3拍子ウォーク」おうちエクササイズ

3拍子ウォークの前に行うウォーミングアップとしてもお勧め。
「タン、タン、アップ」「タン、タン、シャキーン」と、3拍子のリズムに乗って行う。
いすに座ったまま行っても、ストレッチ効果がある。
公園などで歩きながらやると、さらに気持ちがよく効果的。

全身が気持ちよく伸びる!
「タン・タン・アップ ♪」

画像2: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

【2歩目】
そのまま、左足踏みをする。

画像3: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

 
 
【1歩目】
両腕を曲げてわきを締め、その場で右足踏みをする。
 
 

画像4: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

 
【3歩目】
右足踏みをしながら、両手を上にまっすぐ伸ばす。
左右反対にして、これを30秒くり返す。
※足踏みをするとき、太ももを床と平行の高さまで上げると、足腰の強化により効果的。

ネコ背や肩こりの改善に
「タン・タン・シャキーン ♪」

画像5: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

【2歩目】
そのまま、左足踏みをする。

画像6: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

 
 
 
【1歩目】
両腕を鎖骨の前で重ねて固定し、その場で右足踏みをする。 
 

画像7: 【3拍子ウォークとは】やり方のコツは3歩目を少し出すだけ やせる、姿勢がよくなる、室内でできると話題

 
【3歩目】
右足踏みをしながら両腕を横に開き、肩甲骨同士を寄せる。
左右反対にして、これを30秒くり返す。
※足踏みをするとき、太ももを床と平行の高さまで上げると、足腰の強化により効果的。

画像: この記事は『安心』2020年9月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2020年9月号に掲載されています。

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