肥満や糖尿病を解消するには、単なるカロリー制限ではダメ。「腸内細菌のバランスを改善する食事」こそが重要です。キャベツ納豆を常食していれば、増えた日和見菌が元気な善玉菌に加勢して、悪玉菌が増えるのを防いでくれます。【解説・レシピ監修】藤田紘一郎(東京医科歯科大学名誉教授・医学博士)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)
東京医科歯科大学名誉教授・医学博士。東京医科歯科大学卒業後、東京大学医学系大学院終了。日米医学協力会議のメンバーとして、寄生虫とアレルギーの関連を調べる寄生虫学や免疫学に携わる。東京医科歯科大学名誉教授となった現在も、腸内細菌などを研究中。『アレルギーと腸内細菌』(ワニブックス)など著書多数。

医者の不養生!血糖値が600を超える

「医者の不養生」という言葉がありますが、私もご他聞にもれず、過去に2度、重度の糖尿病を患いました。

1度目は61歳のとき。インドネシアへ長期の医療調査に行ったのですが、脱水症を防ぐためにスポーツドリンクを多飲していたところ、血糖値が500mg/dlもの高値に……(正常値は110mg/dl‌未満)。

糖尿病専門医の指導のもと、カロリー制限とインスリン(血糖値を下げるホルモン)投与でいったんは落ち着いたのですが、70歳を過ぎて再発してしまいます。この間、カロリーを制限していましたが、なぜか体重は増え、糖尿病も再発。

改めて食生活について考え直し、一つの結論にたどり着きました。肥満や糖尿病を解消するには、単なるカロリー制限ではダメ。「腸内細菌のバランスを改善する食事」こそが重要だということです。

そこで、腸内細菌が喜ぶ食品を積極的にとるようにしたところ、2ヵ月で体重は10‌kg減。血糖値や中性脂肪値も正常になりました。そればかりか、50代で「64歳」と診断された肌年齢が、75歳のときに「62歳」となり、薄かった髪もフサフサに増えてきました。若々しさも取り戻せたのです。

私が腸内環境改善のために常食している食品の中に、納豆とキャベツがあります。それぞれ体によい働きがありますが、組み合わせると、よりいっそうの健康効果を発揮すると考えられます。

ですから、キャベツと納豆で作る「キャベツ納豆」は、腸内細菌のバランスを改善し、理想的な状態に保つために、うってつけの食品だといえます。

わが家の食卓にも、キャベツ納豆を利用した料理がよく出ます。今年で80歳になりますが、そのおかげか、血糖値は正常値で安定しています。私と妻が大好きなレシピを下項で紹介しているので、皆さまもぜひご活用ください。

悪玉菌の増加を防げる

ご存じのように、腸内細菌には、人体に有益な「善玉菌」と有害な「悪玉菌」とがいます。でも実は、善玉菌や悪玉菌は腸内細菌全体の中では少数派で、最も多いのは、どちらにも属さない「日和見菌」です。

日和見菌は、腸内で善玉菌が優勢なときは善玉菌に加勢し、悪玉菌が優勢なときには悪玉菌に加勢することから、そう呼ばれます。

最近の研究から「善玉菌:日和見菌:悪玉菌」の理想的バランスは「2対7対1」だと分かりました。また、善玉菌はどんなにとっても、腸内細菌全体の20%以上には増えないことも分かっています。

そこで、善玉菌を元気にしつつ、腸内細菌の最大勢力である日和見菌をたっぷりとることが大切です。すると、悪玉菌が増える余地がなくなり、良好な腸内環境が保たれます。

大豆を発酵させて納豆を作る「納豆菌」は、身近にある雑多な土壌菌の一種です。それが腸に入ると日和見菌になり、腸内環境のバランス維持に役立ちます。

しかも、納豆菌は腸内でビタミンKを作ってくれます。ビタミンKは血管や骨の健康を保つのに重要な役割を果たし、骨粗鬆症の予防効果もあります。

一方、善玉菌を元気にするには、そのエサとなる食物繊維を十分にとることが重要です。納豆自体にも食物繊維は含まれますが、さらに食物繊維が豊富な食品と組み合わせると、より効果的です。

画像: 抗酸化&抗老化作用もあるキャベツ納豆

抗酸化&抗老化作用もあるキャベツ納豆

そこで、キャベツです。キャベツは身近な野菜の中では食物繊維の含有量が多い上、生で手軽に食べられます。しかも納豆と相性もよく、組み合わせて、おいしく食べられます。

キャベツ納豆を常食していれば、増えた日和見菌が元気な善玉菌に加勢して、悪玉菌が増えるのを防いでくれます。

すると、免疫力(病気に対する抵抗力)が高まり、さまざまな病気にかかりにくなります。

腸内細菌の働きで消化がよくなり、お通じもよくなり、病原菌や有害物質を体外へ排出する働きも高まります。これはアレルギーの改善にもつながり、美肌効果も期待できます。

また、日和見菌には、ダイエットに役立つ「ヤセ菌」と、肥満を促す「デブ菌」とがあります。キャベツのような食物繊維の多い食品はヤセ菌を増やしてくれるので、キャベツ納豆はダイエットにも有効です。

肥満が発症・悪化を促す糖尿病や高血圧、脂質異常症などの予防・改善にも役立ちます。

ほかにも、キャベツには、活性酸素の害を防ぐ強力な抗酸化作用がありますし、胃腸の粘膜を保護・強化するビタミンU、ビタミンCなどが含まれます。

納豆も体にいい成分が豊富で、良質なたんぱく質をはじめ、優れた抗酸化作用を持つサポニン、抗老化作用を持つポリアミン、血栓(血液の塊)を防ぐナットウキナーゼ、高過ぎる血圧を下げるイソフラボンなどが含まれます。

ぜひ、おいしくて体にいいキャベツ納豆を皆さんの食生活に取り入れ、理想の腸内環境を実現してください。

「キャベツ納豆」基本の作り方

【材料】(1人分)
納豆……1パック
キャベツの千切り……80g(キャベツの葉1.5枚分くらいが目安)

画像1: 「キャベツ納豆」 基本の作り方

納豆に、添付のタレとカラシを加えてよく混ぜる。

画像2: 「キャベツ納豆」 基本の作り方

キャベツの千切りを器に入れ、①を加えてよく混ぜる。

画像3: 「キャベツ納豆」 基本の作り方

味を見て、好みでしょうゆ、ポン酢、めんつゆなどをごく少々加える。

【ポイント】
キャベツの千切りの分量は、好みで増減可。
器に材料を全て入れて混ぜて作ってもOK。とっても簡単!
食事のおかずの一品として、1日1回食べるのが目安。ダイエットが目的の場合は、食事の一番初めに食べるか、もしくはご飯の代わりに食べるとよい。

藤田家「キャベツ納豆」お勧め料理

過去に糖尿病と診断された藤田紘一郎先生は、健康のためにキャベツ納豆を20年近く愛食し続けています。長く食べ続け、血糖値が正常値まで下がった藤田先生イチオシの、味と健康効果を兼ね備えたキャベツ納豆料理を紹介します。

オクラキャベツ納豆

画像: オクラのネバネバとキャベツのシャキシャキが味わえる

オクラのネバネバとキャベツのシャキシャキが味わえる

【材料】(1人分)
キャベツ納豆
 キャベツの千切り……80g
 納豆……1パック(添付のタレとカラシを加えてよく混ぜる)
オクラ……1/2袋(3~4本をさっとゆでて小口切り)
ゴマ油、刻みのり……各少々
ポン酢……少々

【作り方】
キャベツ納豆、オクラ、ゴマ油をよく混ぜて器に盛り、刻みのりをトッピングする。
好みでポン酢少々をかける。

画像1: 【腸内環境の改善に】食物繊維が「ヤセ菌」を増やす「キャベツ納豆」の作り方&アレンジレシピ

【藤田先生の一言】オクラも納豆もネバネバ食材。味の相性は言うことなし!実は、このネバネバ成分には、血糖値やコレステロール値の上昇を抑える効果がある、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。このレシピでは、通常のキャベツ納豆を作るときより10回多くかき混ぜるのが私流。味が格段にアップして、ビールにもってこいのつまみになります。

のり巻きキャベツ納豆

画像: 家族みんなでワイワイ作ろう!好みの具を使ってもOK!

家族みんなでワイワイ作ろう!好みの具を使ってもOK!

【材料】(1人分)
キャベツ納豆
 キャベツの千切り……80g
 納豆……1パック(添付のタレとカラシを加えてよく混ぜる)
卵……2個
塩……少々
砂糖……小さじ2
大葉、カニカマボコ……適量
焼きのり……2枚(4つに切る)

【作り方】
卵に塩、砂糖を加えて卵焼きを作り、冷めたら好みの大きさにカットする。
①、大葉、カニカマボコを器に盛り合わせる。
のりに大葉を乗せ、キャベツ納豆と具をその都度、巻いて食べる。

画像2: 【腸内環境の改善に】食物繊維が「ヤセ菌」を増やす「キャベツ納豆」の作り方&アレンジレシピ

【藤田先生の一言】ご飯の代わりにキャベツ納豆を使った手巻きずしです。糖質を控えることができるので、おなかいっぱい食べても罪悪感のないメニュー。納豆と卵、カニカマボコで、不足しがちなたんぱく質をとることもできます。なお、卵焼きに砂糖を入れずに作ると、さらに糖質を抑えられます。

モズクキャベツ納豆

画像: 混ぜるだけの時短レシピ

混ぜるだけの時短レシピ

【材料】(1人分)
キャベツ納豆
 キャベツの千切り……80g
 納豆……1パック(添付のタレとカラシを加えてよく混ぜる)
モズク……1パック(添付のタレを混ぜる)
トマト……1/2個(2cmの角切りにする)

【作り方】
全ての材料を器に盛り合わせ、混ぜながら食べる。

画像3: 【腸内環境の改善に】食物繊維が「ヤセ菌」を増やす「キャベツ納豆」の作り方&アレンジレシピ

【藤田先生の一言】さっぱりしているので、朝食でよく食べます。コンロを使わなくていい上に、混ぜるだけで完成するので、調理時間もかかりません。キャベツの分量を今回ご紹介している倍にして食べるのが、私の好みです。一度作ってみて、気に入った方は、キャベツ倍増もお試しください。

さらに!「キャベツ納豆」アレンジレシピ

健康のためには、キャベツ納豆を日々、続けて食べることが大切です。キャベツ納豆自体がキャベツと納豆だけしか使わないので、シンプルで飽きにくい味ですが、より一層おいしく、長続きするためのアレンジ方法をここで2種類紹介します。

アレンジ 1キャベツ納豆 + カレーマヨネーズ
【材料】
キャベツ納豆(納豆1パックとキャベツ80g)
カレー粉…小さじ1/2
マヨネーズ…大さじ2
好みで砂糖1つまみ

画像4: 【腸内環境の改善に】食物繊維が「ヤセ菌」を増やす「キャベツ納豆」の作り方&アレンジレシピ

キャベツ納豆カレー de とん平焼き

画像: ヘルシーだからおやつや間食にも最適

ヘルシーだからおやつや間食にも最適

【材料】(1人分)
キャベツ納豆カレーマヨネーズ
サラダ油……適量
豚こま切れ肉……80g
卵……1個(塩、コショウを適量加えて溶いておく)
お好み焼きソース、マヨネーズ……適量

【作り方】
フライパンにサラダ油を引いて豚肉を炒め、塩、コショウ(分量外)を各少々振り、取り出しておく。
再びフライパンにサラダ油を引き、溶き卵を丸形に焼く。
器にキャベツ納豆カレーマヨネーズと①を盛り、②を上からのせて形を整え、お好み焼きソース、マヨネーズをかける。

キャベツ納豆カレー de コンビネーションサラダ

画像: カレー風味で食欲が増す

カレー風味で食欲が増す

【材料】(1人分)
キャベツ納豆カレーマヨネーズ
しょうゆ、コショウ……各少々
ロースハム……2枚
 キュウリスライス……5枚
 トマト……小1/2個
 半熟ゆで卵……1個
 パセリ……少々

【作り方】
キャベツ納豆カレーマヨネーズに、しょうゆ、コショウを加えよく混ぜる。
器に①とⒶの材料を彩りよく盛り合わせる。


アレンジ 2キャベツ納豆 + ツナ
【材料】
キャベツ納豆(納豆1パックとキャベツ80g)
ツナ缶…1缶(小サイズ70g)

画像5: 【腸内環境の改善に】食物繊維が「ヤセ菌」を増やす「キャベツ納豆」の作り方&アレンジレシピ

キャベツ納豆ツナ de ホットドッグ

画像: 子どもも喜ぶ!

子どもも喜ぶ!

【材料】(2個分)
キャベツ納豆ツナ
マヨネーズ…大さじ2
 しょうゆ、コショウ…各少々
ホットドッグ用パン……2本
ソーセージ……2本

【作り方】
ホットドッグ用パンをオーブントースターで軽く焦げ目が付くまで焼く。
湯を沸かし、ソーセージを温める。
①にⒶを混ぜたキャベツ納豆ツナとソーセージを均等に詰め、好みでケチャップ、マスタードをかける。

キャベツ納豆ツナチャーハン

画像: キャベツでかさ増し!これ1つで大満足

キャベツでかさ増し!これ1つで大満足

【材料】(1人分)
キャベツ納豆ツナ
マヨネーズ…大さじ2
 しょうゆ、コショウ…各少々
卵……1個
ご飯……100g
サラダ油……小さじ1

【作り方】
卵を溶きほぐし、ご飯を加え、よく混ぜておく。
フライパンでサラダ油を熱し、①を中火で炒める。
パラパラになったら、火を止め、Ⓐを混ぜたキャベツ納豆ツナを加え、全体を混ぜ、器に盛る。

■レシピ考案・料理・スタイリング/古澤靖子

画像: この記事は『安心』2020年7月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2020年7月号に掲載されています。

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