プロフィール

藤井香江(ふじい・かえ)
40代から美しくやせる! 簡単ダイエットの専門家、スリムデザイナー、美容編集&ライター。半年間で20kgのダイエットに成功し、20年以上体重をキープ。ジュースやスープによる独自の食事法を開発し、二度と太らない体質と健康を維持。食べても飲んでもやせて、リバウンドなしの簡単メソッドが男女問わず好評。「毎日の暮らしをラクにする」をテーマに、雑誌やWEB連載など、多方面で活躍中。近著に『作りおきで、かんたん!「腹ペタスープ」ダイエット』(講談社刊)がある。
▼KAE式ダイエット(公式サイト)
ダイエット経験から生み出した究極のスープ
40代、50代になると、代謝が落ちて、どうしても太りやすくなります。太りやすい体質の人なら、なおさらです。そんな人でも、今回ご紹介する「野菜スープ」を続けたら、太らない体質に変われるかもしれません。
私自身、子どもの頃から太りやすい体質でした。20代の頃は体重が70kg(身長は160cm)もあり、半年で20kg以上のダイエットに成功しました。
もともと太っていた人は、ダイエットでやせても太りやすいそうです。私はその後も、妊娠したり、ちょっと気を抜いたりすると、3kgくらいはすぐに太ってしまい、なかなか体重が安定しませんでした。
そんな私が自分のために考案したのが、野菜スープです。このスープには、私がダイエットの経験で得た知識が全て注ぎ込まれています。
野菜スープは、6種類の野菜と2種類の香辛料、コンブと塩があれば簡単に作れます。これを作ってストックしておけば、後は水を加えて好みの味付けをし、電子レンジで温めるだけ。忙しくて料理する暇のない方、料理が苦手な方、料理をしたことのない男性でも作れます。
しかもおいしくて栄養満点。1日のうちの1食を、このスープに変えるだけで、「勝手にダイエット」できてしまいます。
私は、このスープを食べるようになってから、体重の増減がなくなり、ずっと48kgのベスト体重を維持しています。お通じもよくなり、肌のトラブルもなくなりました。わが家では、この10年間、このスープを切らしたことがありません。
私は、栄養不足や栄養のアンバランスがあると、代謝が悪くなってやせにくくなると考えています。野菜スープの材料の6種類の野菜は、ビタミンやミネラルが豊富で、栄養のバランス改善に役立ちますし、それぞれに素晴らしい効用があります。

野菜スープに使う野菜の主な効用
●ニンジン
免疫力を高めるβ-カロテンが豊富。潤いのある肌づくりに役立つ。
●タマネギ
体の酸化を防ぎ代謝を上げるファイトケミカルが豊富。血液サラサラ作用も。
●ブロッコリー
200種類以上のファイトケミカルを含み、体の酸化を防いで老化防止に役立つ。
●ミニトマト
赤い色素のリコピンがシミの素の生成を抑制。美肌効果が高い。
●ダイコン
食物繊維が豊富で、便通を改善して体内の毒素をスムーズに排出してくれる。
●キャベツ
胃粘膜を健康にするビタミンUが豊富。栄養のスムーズな消化・吸収に役立つ。
これに加える香辛料のショウガとニンニクは、共に脂肪燃焼効果があり、冷えを改善します。ニンニクの匂い成分には、免疫力(病気に対する抵抗力)を強化する作用も。また、ニンニク、ショウガを加えることで塩分が抑えられ、素材の味が引き立ちます。
さらに、だしに使うコンブは、ミネラルと食物繊維が豊富です。コンブも捨てずに食べてください。
やせる目的なら夜に食べるのがお勧め
野菜スープの作り方は、下項でご紹介している通りです。まずスープの素を作り、食べるときは、スープの素に水を足して、好みの調味料で味付けします。雑味がないので、和洋中どんな味にもなじみます。もちろん、味付けをしなくても十分おいしく食べられます。
スープに使う野菜は、ご紹介した6種類が、味のバランスもよくベストですが、キャベツを白菜に換えるなど、季節の野菜を使っても構いません。
ただし、キノコ類はキノコの味が強いので、別鍋でキノコを煮て合わせるか、温め直すときに足したほうがいいでしょう。鶏肉や豚肉、豆類などを加えると、たんぱく質も一緒にとれて、さらに栄養価がアップします。
これを、1日1回は食べてください。いつ食べてもいいですが、ダイエットが目的なら、夜食べることをお勧めします。また、食事の最初に食べると、ご飯などの主食を減らせます。
私の夫は帰りが遅く、いつも夕食を遅い時間にとっていました。そのため太っていて、10年ほど前の健康診断では、病院の再検査が必要なE判定でした。特にγ‐GTPが異常に高く、コレステロール値も正常値を超えていました。
そこで夫に、夕食に野菜スープを食べてもらい、遅い時間の夕食はスープだけにしました。野菜嫌いの夫は、最初はいやそうでしたが、5日もすると自分から食べるようになりました。
そして3ヵ月後、夫の体重は6kg(66kg→60kg)も落ち、病院を再受診したら、γ‐GTPもコレステロール値も正常値内に入ったのです。
このスープを勧めた方たちからは「便通がよくなった」「肌が荒れなくなった」「夫がやせられた」など、いろいろな喜びの声をいただいています。
でも、簡単でおいしいことが一番。工夫次第でいろいろなスープが楽しめて、毎日飽きずに続けられます。これを食べるだけで、体の中からキレイになったような気がしますよ。
作りおき「野菜スープ」の作り方

【材料】(5食分)
タマネギ……大2個
ニンジン……大1本
キャベツ……1/4個
ダイコン……1/4本
ブロッコリー……1株
ミニトマト……5~8個
ニンニク……1片
ショウガ……1かけ
コンブ(6cm角)……2枚
水……150ml
塩……小さじ1/2
※トマトは、ミニトマトがお勧め。ミニトマトのほうがスープがおいしく出来上がる。
※ニンニクは苦手なら入れなくてもよい。
※チューブタイプのニンニクやショウガを使う場合は、ニンニク小さじ1(チューブから出して2~3cm)、ショウガ大さじ1(チューブから出して4~5cm)を目安にする。
【作り方】

❶野菜を切る
・タマネギ、キャベツ……1.5cm角に切る。
・ニンジン、ダイコン……よく洗い、皮付きのまま1.5cm角に切る。
・ブロッコリー……房の部分を小房に分ける。
・ミニトマト……ヘタを取る。
・ニンニク、ショウガ……薄切りにする。
※ブロッコリーの茎の部分も使いたい場合は、茎の外の皮をむいてから、適当な大きさに切る。

❷野菜を煮る
・大きめの鍋に処理した野菜全てとコンブ、水を入れて、全体に塩を振る。
・鍋にぴったりとふたをして、中火で加熱する。
・沸騰してきたら弱火にし、そのまま30分ほど煮る。
※コンブは水に浸るように入れる。
※出来上がりで、ブロッコリーの色を鮮やかにしたい場合は、火を止める3分前にブロッコリーを加えるとよい。

❸出来上がり
火を止め、ふたをしたまま、10分ほどそのまま蒸らせば出来上がり!
【保存方法】

冷蔵の場合:保存期間5日間
粗熱を取り、コンブは食べやすい大きさに切って、汁ごと保存容器に入れ、冷蔵庫で保管する。

冷凍の場合:保存期間3週間
粗熱を取り、コンブは食べやすい大きさに切って、汁ごと1食分ずつ冷凍用の保存袋に入れて冷凍する。食べるときは冷蔵庫で自然解凍、または電子レンジで5分ほど加熱してから調理する。
「野菜スープ」基本の食べ方

【材料】(1皿分)
野菜スープの素……1カップ
好みのスープの素(鶏ガラスープやコンソメなど)……小さじ1/2~1
水……150ml
【作り方】
❶耐熱の器に全ての材料を入れ、ラップをふんわりかけて、電子レンジ(600W)で2分30秒ほど加熱し、混ぜる。
※全ての材料を鍋に入れて温めてもOK。
酢のクエン酸で代謝が上がる
ピリ辛サンラータン

【材料】(1皿分)
野菜スープの素……1カップ
鶏ガラスープの素……小さじ1
しょうゆ、酢……各小さじ1
水……150ml
ニラ、糸トウガラシ、ラー油……各適量
【作り方】
❶耐熱の器に糸トウガラシ、ラー油以外の材料を入れ、ラップをふんわりかけて、電子レンジ(600W)で2分30秒ほど加熱し、混ぜる。
❷①に糸トウガラシ、ラー油を加える。
体の酸化を防ぎ消化も促進!
スパイシーカレースープ

【材料】(1皿分)
野菜スープの素……1カップ
顆粒コンソメスープの素……小さじ1
カレー粉……小さじ1/2
水……150ml
水菜、赤トウガラシ……各適量
【作り方】
❶耐熱の器に水菜、赤トウガラシ以外の材料を入れ、ラップをふんわりかけて、電子レンジ(600W)で2分30秒ほど加熱し、混ぜる。
❷①に好みで水菜、赤トウガラシを加える。
脂肪燃焼効果あり!免疫力も上げる
毒出しキノコスープ

【材料】(1皿分)
野菜スープの素……1カップ
エノキタケ(ほぐす)……1/2パック
鶏ガラスープの素……小さじ1/2
水……150ml
レモン(薄切り)、長ネギ(薄切り)……各適量
【作り方】
❶耐熱の器にレモン、長ネギ以外の材料を入れ、ラップをふんわりかけて、電子レンジ(600W)で2分30秒ほど加熱し、混ぜる。
❷①に好みでレモン、長ネギを加える。
※やせる効果の高いマイタケやナメコを使ってもOK。
のりでミネラルプラス!むくみ改善にも
磯の香りのり1枚スープ

【材料】(1皿分)
野菜スープの素……1カップ
焼きのり……1枚
鶏ガラスープの素……小さじ1/2
水……150ml
長ネギ(小口切り)、ゴマ油……各適量
【作り方】
❶焼きのりは手で食べやすい大きさにちぎる。耐熱の器に長ネギ、ゴマ油以外の材料を入れ、ラップをふんわりかけて、電子レンジ(600W)で2分30秒ほど加熱し、混ぜる。
❷①に好みで長ネギ、ゴマ油を加える。
暑い季節でも美味しく食べられる
トマトの冷製スープ

【材料】(1皿分)
野菜スープの素……1カップ
トマト……大1個
白だし……大さじ1
水……100ml
オリーブ油、ブラックペッパー……各適量
【作り方】
❶トマトは粗みじん切りにする。
❷器に①と野菜スープの素、白だし、水を入れて混ぜる。
❸②に好みでオリーブ油、ブラックペッパーをかける。
■料理・スタイリング/藤井香江(40代から美しくやせる! 簡単ダイエットの専門家)

この記事は『安心』2020年7月号に掲載されています。
www.makino-g.jp