プロフィール

中原美香子(なかはら・みかこ)
料理研究家、フードコーディネーター、ジュニア野菜ソムリエ、調理師。2児の母。野菜ソムリエ認定料理教室を主宰。企業のレシピ開発やWebサイトでのレシピ連載、フードスタイリングや撮影などを行っている。お弁当や料理レシピ、DIYなど日々をつづるブログが人気。著書に『毎日続ける やせるサラダごはん』(OVERLAP)がある。ブログ『おいしい毎日しあわせごはん』:http://chikipon.blog.jp/
肌にハリとツヤが出てくすみが消えた
「授乳中は、何を食べてもやせる」──。5年前に長女を出産した直後の私は、そんな話を信じて、好きな物を好きなだけ食べていました。もちろん、そんなうまい話はありません。むしろ、体重は3kgほど増えてしまったのです。
ショックを受けた私は、遅まきながら食生活を見直すことにしました。授乳中だから無理な食事制限はしたくない。栄養バランスはよくしたい。手早く作れて、洗い物も減らしたい……などと考えた末に思いついたのが、下記でご紹介している「サラダごはん」です。
サラダごはんは、ご飯とたっぷりの野菜、肉や魚、豆や卵などを、1皿に盛り込んだものです。たくさんの食材で、栄養がバランスよくとれ、野菜でかさが増すため、ご飯の量を少なめにしてもおなかは満足します。
旬の手に入りやすい野菜を使えば、お財布にもうれしいですし、少し食材や味付けを変えるだけで、飽きずに食べ続けることができます。
「サラダごはん」って?
1皿にたくさんの野菜、ご飯、お肉や魚、豆や卵などを盛り込んだもの。低カロリーなのに1皿で栄養がバランスよくとれ、おなかも満足。見た目も鮮やかで、作るのも食べるのも楽しい! ワンプレートだから、洗い物が少ないのもメリット。
私は、このサラダごはんを毎日のランチで食べました。それと同時に1日に10分間、簡単なストレッチを始めたのです。
すると1~2週間ほどで、お通じの調子が変わりました。以前は便秘がちで、2~3日お通じが滞るのは珍しくなかったのですが、毎日気持ちよくお通じがつくようになったのです。体重も少しずつ落ち、半年後には、なんと当初の8kg減。妊娠前より2~3kgもやせたのです。
おなか回りはもちろん、太ももの辺りも引き締まり、パンツのはき心地が変わりました。友人たちには「前と全然違う!」と驚かれ、自分でも「体が変わった」と実感できたのです。
サラダごはんは、今でもときどき食べています。「ちょっと食べ過ぎたな」「最近、食事の栄養のバランスが悪いな」などと感じたときに、ササッと作って食べるのです。おかげで大きな体重の増減はありません。
最近は肌の調子もよいです。ハリとツヤが出て、くすみや疲れた感じが消えました。髪の状態も大きく変わっています。もともと、私の髪はサラサラのストレートでしたが、出産後にひどく荒れてしまいました。髪の毛1本1本が縮れたようになってしまったのです。それが、今では元のサラサラの髪に。これもサラダごはんのおかげかもしれません。
どうやって食べるといい?
まずは、週に2~3食をサラダごはんにしてみましょう。慣れてきたら、毎日どれか1食をサラダごはんに置き換えるのもお勧めです。また、「最近、野菜不足」「昨日食べ過ぎた」といったときに、食事をサラダごはんに置き換えて調整するのもお勧めです。
いずれにせよ、1日に必要な水分はしっかりとってください。サラダごはんは食物繊維が豊富なので、水分が不足すると、逆に便秘を招いてしまうことがあるからです。
ときどき食べるだけでも体が変わる!
おいしいサラダごはんを作るには、洗った野菜の水分をしっかりと切るのがポイントです。水分が多いと、ご飯がべちゃべちゃになりますし、味付けも濃くなりがちです。
食材は、できればなるべくいろいろ用意してください。食材の種類が多ければ、栄養のバランスは自然と整います。
飽きずに食べ続けるには、味付けはシンプルにするのがお勧めです。塩や酢、オリーブ油などの基本の調味料は、質のよい物を使うと、おいしくいただけます。
お気に入りの皿を2~3枚用意するのも、飽きずに続けるコツの一つです。お気に入りの皿に、彩りのよいサラダごはんを盛り付ければ、気持ちも華やぎます。自分で作ったサラダごはんの写真を撮って、ネットにアップするのも、続ける励みになると思います。
ただ、「すぐにやせたい」という人でない限り、毎日食べ続けなくても大丈夫です。食べ過ぎたり、野菜不足を感じたりしたときに思い出して食べる程度の、ほんの少しの積み重ねでも、体は変わります。ぜひ作ってみてくださいね。
常備しておくと便利な食材は?
大豆のドライパックやミニトマト、紫タマネギ、パプリカ、アボカド、レンコン、ブロッコリー、シメジなどのキノコ類、ナッツ類、香味野菜などです。いろんな食材と相性がよく、大活躍します。タマネギやパプリカなどは、あらかじめ使いやすい大きさに切って冷蔵庫で保存しておけば、すぐに使えて便利ですよ。

お肉なしでも大満足のボリューム!野菜不足の解消にぴったり
たっぷり野菜のナムルサラダごはん

【材料】(1人分)
雑穀ご飯(白ご飯でも可)……100g
モヤシ……80g
スナップエンドウ……4さや
クルミ……3粒
サニーレタス……3枚
トマト……小1個
Ⓐすりおろしニンニク……2g
ゴマ油……小さじ1/2
塩……少々
●ピリ辛ニラドレッシング
ニラ(細かく刻む)……10g
炒りゴマ……小さじ1/2
コチュジャン……小さじ1/2
砂糖、酢、しょうゆ、ゴマ油……各小さじ1
【作り方】
❶モヤシとスナップエンドウは熱湯でさっとゆでてザルに上げ、冷めたらスナップエンドウを食べやすい大きさに切る。
❷クルミはフライパンで軽く乾炒りする。
❸サニーレタスは食べやすくちぎり、トマトはざく切りにする。
❹ご飯にAを混ぜてほぐしたら、①も加えて合わせる。
❺器に③と④を盛り、②を手で砕いて散らす。
❻ピリ辛ニラドレッシングの材料を全て混ぜ(コチュジャンを最初にしょうゆに溶かすと混ざりやすい)、⑤にかける。
野菜も肉も大豆も一度にとれてこの1皿で栄養バランスばっちり!
ひき肉と豆とキュウリのオイスター炒めのサラダごはん

【材料】(1人分)
ご飯……100g
合いびき肉……60g
大豆ドライパック……30g
キュウリ(1cm角に切る)……1/2本
オイスターソース……小さじ1
アボカド……40g
ミニトマト……4個
サラダ菜……3枚
Ⓐ塩……1つまみ
コショウ……適量
ゴマ油……小さじ1/2
【作り方】
❶合いびき肉と大豆ドライパック、キュウリをフライパンで油をひかずに炒め、肉に火が通ったら、オイスターソースで味付けする。
❷アボカドとミニトマトは食べやすい大きさに切り、Ⓐであえる。
❸器にご飯とサラダ菜、①、②を盛る。
※キュウリは炒め過ぎず、食感を残したくらいがおいしいです。
体をつくるたんぱく質がしっかりとれる!夏バテ防止や疲労回復にもお勧め
鶏むね肉とキノコのみそチーズグリルのサラダごはん

【材料】(1人分)
玄米ご飯(白ご飯でも可)……100g
鶏むね肉……80g
シメジ……30g
マイタケ……40g
ミニトマト……4個
タマネギ……1/4個
溶けるチーズ……20g
グリーンリーフレタス……3枚
Ⓐみそ……小さじ1
砂糖・しょうゆ……各小さじ1/2
水……小さじ2
Ⓑオリーブ油・酢……各小さじ1/2
塩……少々
【作り方】
❶鶏肉は小さめのそぎ切りにする。シメジとマイタケは食べやすい大きさに手で裂く。ミニトマトとタマネギは、それぞれ半量を食べやすい大きさに切る。
❷残りのミニトマトは1/4に切り、タマネギは薄切りにする。
❸Ⓐを混ぜ合わせて①とチーズを加え、アルミホイルに入れてグリルで15分、途中肉を返して火が通るまで焼く。
❹玄米ご飯と②、Ⓑを合わせて、③とグリーンリーフレタスと共に器に盛り付ける。
※具材をグリルで焼くとき、焦げやすいので、火加減に注意してください。
ビタミンC・Eがたっぷりで美肌づくりや老化予防に最適!
ホウレンソウの卵炒めのサラダごはん

【材料】(1人分)
ホウレンソウ……100g
パプリカ(赤)……1/4個
紫タマネギ……20g
卵……2個
バター……小さじ1
塩……少々
Ⓐ雑穀ご飯(白ご飯でも可)……100g
ホールコーン……大さじ2
塩……少々
【作り方】
❶ホウレンソウはさっと塩ゆでして冷水に取り、水分を絞っておく。
❷パプリカと紫タマネギは1cm角に切り、Ⓐと混ぜ合わせる。
❸ボウルに卵を割り入れて溶き、バターを溶かしたフライパンに流し込んだら、①も加えてさっと炒める。
❹②と③を器に盛り付ける。
※卵を流し込んだらすぐにホウレンソウを加えて、炒め過ぎないようにしてください。
食物繊維が豊富でお通じスッキリ!カルシウムの補給にも!
ツナとカボチャのクリーム煮のサラダごはん

【材料】(1人分)
雑穀ご飯(白ご飯でも可)……100g
オクラ……2本
ツナ(ノンオイル)……1缶
シメジ……50g
オリーブ油……小さじ1/2
カボチャ(蒸すかゆでておく)……60g
牛乳……150ml
塩……少々
ブラックペッパー……適宜
片栗粉……小さじ1/3
Ⓐグリーンリーフレタス……2枚
タマネギ(スライス)……20g
粉チーズ……小さじ1
オリーブ油……小さじ1/2
酢……小さじ1/3
【作り方】
❶オクラは乱切りにし、軽く水気を切ったツナ、シメジと一緒にオリーブ油で炒める。
❶①にカボチャ、牛乳、塩、ブラックペッパー、片栗粉を加え、軽くとろみがついたら火を止める。
❶Ⓐの材料を合わせてサラダを作り、ご飯、②と共に器に盛り付ける。
貧血の改善に欠かせない鉄分がとれる!血液サラサラ効果も期待できる
梅ワサビマグロのサラダごはん

【材料】(1人分)
ヒジキ(乾燥)……5g
ナガイモ……60g
大葉……2枚
メバチマグロの刺し身(ぶつ切り)……100g
炒りゴマ……小さじ1/2
刻みネギ……10g
Ⓐご飯……100g
めんつゆ(3倍濃縮)……小さじ1]
Ⓑ練りワサビ……小さじ1/3
梅肉……小さじ1/2
しょうゆ……小さじ1/2
【作り方】
❶ヒジキは熱湯で1分ほどゆでてザルに上げる。ナガイモは1cm角に切り、大葉は細かく刻む。
❷①とⒶを混ぜ合わせる。
❸Ⓑの材料を全て合わせてよく混ぜたら、マグロを加えて絡める。
❹②と③を器に盛り、刻みネギとゴマを振る。
ビタミンB1がたっぷり!スタミナアップや疲労回復に役立つ
豚のショウガ焼きのサラダごはん

【材料】(1人分)
雑穀ご飯(白ご飯でも可)……100g
キャベツ……40g
パプリカ(黄)……1/4個
ニンジン……小1/2本
塩……少々
豚もも薄切り肉……80g
片栗粉……小さじ1
サラダ油……小さじ1/2
Ⓐすりおろしショウガ……2g
しょうゆ……小さじ2
酒・みりん……各小さじ1
【作り方】
❶キャベツは繊維を断ち切るように千切りにする。パプリカは薄切りにし、ニンジンは千切りにして、全てを合わせて塩をまぶす。
❶豚肉に塩少々(分量外)と片栗粉をまぶし、サラダ油をひいたフライパンで焼く。8割火が通ったら、Ⓐを加えて絡め、軽く炒めて火を止める。
❶器に盛ったご飯に①と②をのせる。
老化を防ぐビタミンEがしっかりとれる!火を使わず作れてお手軽
たっぷりアボカドのヨーグルトマヨサラダごはん

【材料】(1人分)
玄米ご飯(白ご飯でも可)……100g
キュウリ……1/2本
アボカド……100g
トマト……中1/2個
タマネギ(薄切り)……20g
レモンスライス(みじん切り)……1枚分
レモン汁……小さじ1/2
粉チーズ……小さじ1
塩……1つまみ
●ヨーグルトマヨドレッシング
プレーンヨーグルト……大さじ2
マヨネーズ……小さじ1
塩……少々
ブラックペッパー……適宜
【作り方】
❶ご飯は軽く水洗いしてぬめりを取ってから、水分を切る。
❷キュウリ、アボカド、トマトは1cm角に切る。
❸ヨーグルトマヨドレッシングの材料を全て合わせて混ぜる。
❹ドレッシング以外の全ての材料を混ぜ合わせて器に盛り付け、③をかける。
■料理・スタイリング/古澤靖子

この記事は『安心』2020年7月号に掲載されています。
www.makino-g.jp