ドライフルーツを水や炭酸水につけた「フォンダンウォーター」。簡単ヘルシードリンクとして数年前に流行したので、ご記憶のかたも多いでしょう。実はこのフォンダンウォーター、長寿世界一の香港では、温かい状態で飲むのが定番なのです。今回は、中国の伝統美容に詳しい楊さちこ先生に、HOTフォンダンウォーターの魅力とレシピを教えていただきました。
【解説】楊さちこ(中医学博士)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

楊さちこ(よう・さちこ)

中医学博士。中国・広州の大学留学中に漢方に出合い、中医師の資格を取得。中国古来の美容法を専門に研究を続け、南京中医薬大学教授、及び同大学東方美学研究院院長を長年務めた。『温まって、おいしいフォンダンウォーター』、『世界一の養生ごはん』(小学館)、『肌がつるんと若返る「ガーゼ洗顔」』(マキノ出版)など多数の著書がある。
▼中医学博士・楊さちこ(公式サイト)
▼楊さちこの香港漢方生活大発見!(ブログ)
▼@yosachiko(Twitter)

フォンダンウォーターとは

作り方はドライフルーツを水につけるだけ

香港のスパやホテルのロビーには、欧米系のお客様向けに、ピッチャー入りの水が置かれています。昔はレモン入りの水だったのですが、10年ほど前からでしょうか、レモン以外のフルーツが入るようになりました。それはフルーツデトックスウォーター(水果水)と呼ばれ、自然な風味のおいしさで話題になり、瞬く間に世界中に広がりました。

しばらくすると、ボトルにドライフルーツ(乾果)と水をつけたデトックスウォーターが流行し始めました。これが、いわゆるフォンダンウォーターです。

温かくするのが香港流

当初、香港でフォンダンウォーターを好んでいたのは香港人ではなく、香港在住の欧米系の人々でした。その流行が、生粋の香港人にまで届いたとき、大きな変化が生まれたのです。

香港は亜熱帯気候に属し、高温多湿。でも、香港人にとって「水」といえば常温水、もしくはお湯を指します。氷を入れたり冷蔵庫で冷やしたりはしません。香港で「レモン水」といえば、レモンの輪切りに熱湯を注ぐのが定番です。

そこで、「フォンダンウォーターも温かくするべきだ」と誕生したのが、HOTフォンダンウォーター。これは、フルーツを使った漢方ドリンクともいえます。

温かいフォンダンウォーターの効果

薬もお茶もスープも煮出して作る

香港では、病気のときに飲む薬も、毎日飲むお茶やスープも、「体を潤して、温めて、栄養補給」が基本の考え方であり、目的です。

漢方薬は、薬効のある植物や動物を干して乾かしたり、鉱物を粉にしたりしたものからできています。それを、その人の体調や体質に合わせて選び、水を加えて煮出します。薬膳スープも、魚介類の乾物を煮出して出汁をとります。お茶も、茶葉や花、豆や穀物を乾燥させたものをお湯につけて抽出液を飲みますね。成分が溶け出たお湯を飲むことで、体への吸収がよくなり、老廃物の排出もスムーズになります。

ですから、フォンダンウォーターも水につけるより、煮出したり、お湯につけたりしたほうが「体を潤して、温めて、栄養補給」の効果が高まると考えられ、香港で一気に広まって定番化したのです。

健康長寿の秘訣は「温かい飲み物」

私は大阪生まれ大阪育ちの日本人ですが、人生の半分以上を香港で、香港人の中で過ごしてきました。街中では、長者(香港ではシルバー世代を長者と呼びます)が太極拳をしたり、若者に交じってバスケットボールをしたり、ボランティアに励んだりしています。

ご存じかもしれませんが、香港の平均寿命は世界一(*)です。その秘密を探りに、多くのメディアが取材に殺到するようになりました。

香港では、健康でいるための生活術が「家庭のしつけ」として伝わり、常識化しています。そのうちの1つが、「冷たい水分をとらない」ということ。冷たい水を飲んで体が冷えると、血の巡りが悪くなり、水分や栄養素が体の隅々に届きません。逆に、温かいものを飲むと、血行がよくなり、水分と栄養素が体中に行き渡ります。「体を潤して、温め、栄養補給する」というのが、香港人の健康の基本なのです。
(*)出典:厚生労働省「平均寿命の国際比較」PDF

ドライフルーツを使う理由

乾燥させれば保存性も栄養価もアップ

香港人はフルーツが大好き。生のフルーツ(水果)はもちろん、ドライフルーツ(乾果)もよく食べます。果物のように水分が多く、鮮度を保つのが難しい食材は、乾燥させることで保存性が高まります。さらに、栄養成分が凝縮されるため、栄養価が高くなるのです。しかも、季節を問わず好きな果物を楽しむことができます。

ドライフルーツは体を温める

一般に、暑い地方で食べられるトロピカルフルーツは、体の熱をとる作用があるとされています。ですから、冷え性の人にはあまり勧められません。ところが、体を冷やす食品を「干す」ことで、体を温める食品に変わるので、冷え性の人も安心して食べることができます

皮つきのまま丸ごと食べられる

果物の皮は栄養価が高いのですが、生の場合はむいて捨ててしまいます。ドライフルーツは、皮をつけたまま乾燥させたものがほとんど。フルーツの栄養を丸ごといただけます。さらに、水で煮ることで、もっとおいしく、体によいとり方ができます。香りのよい温かい煮汁は、フルーツの栄養素がたっぷり。それが温かいお湯といっしょに体に吸収されるのです。ふっくらと戻ったフルーツは、かたい物が苦手な人にも食べやすくなっています。フルーツからの栄養補給と、水分補給、体を温めることが一度にできる優れものです。

画像: 香港では乾物店にドライフルーツが並んでいる

香港では乾物店にドライフルーツが並んでいる

HOTフォンダンウォーターの作り方

基本はお湯につけるだけ

好みのドライフルーツを用意します。ドライフルーツは、揚げてあるものは避けてください。できれば無添加、無加糖、無漂白がお勧め。水洗いしてから使いましょう。今回は、出来上がり量500mlでご紹介します。

【ドライフルーツの下処理】
皮つきのドライフルーツには、戻りやすいように切り込みを入れましょう。大きい塊の場合は、食べやすい大きさに切りましょう。

画像1: 基本はお湯につけるだけ

【煮出す場合】
土鍋かガラス製のポットに、適量(10~25g)のドライフルーツを入れ、700mlの水を加えて火にかけます。沸騰したら弱火にして20分煮たら出来上がり。

画像2: 基本はお湯につけるだけ

【保温瓶を使う場合】
ガラス製の保温瓶に、適量(約10g)のドライフルーツを入れて熱湯500mlを注ぎ、ふたをして3時間以上放置すれば出来上がり。

画像3: 基本はお湯につけるだけ

【保存法】
常温保存の場合はその日のうちに飲み切りましょう。冷蔵なら2~3日、冷凍なら1週間を目安にしてください。

【戻したドライフルーツ】
水分を含んで戻ったドライフルーツは、3倍くらいの重さになって食べごたえ十分。消化がよく、同時に水分もとれます。戻してすぐに食べない場合は、ラップに包んで冷蔵庫に保存し、3日以内に食べましょう。冷凍する場合も1ヵ月を目安に食べ切ってください。
そのまま食べる以外に、ジャムにしたり、サラダにトッピングしたり、料理やお菓子に加えたりしてもおいしく食べられます。

お勧めのHOTフォンダンウォーター

今回は、日本でも手に入りやすいドライフルーツ使ったHOTフォンダンウォーターを、3つご紹介します。

口臭予防に
パイナップル
HOTフォンダンウォーター

甘酸っぱいパイナップルには、唾液を増やしてのどの渇きを癒し、口臭や虫歯、歯周病を予防する作用があります。漢方では、二日酔いにも効果があるとされます。また、脂肪燃焼効果が高いプロメラインという分解酵素や、疲労回復や美肌効果のあるクエン酸を豊富に含みます。

画像: 左はタイ産、右は中国産

左はタイ産、右は中国産

画像: 食事中の飲み物にも、二日酔いの朝にもお勧め

食事中の飲み物にも、二日酔いの朝にもお勧め

便秘・痔の対策に
イチジク
HOTフォンダンウォーター

中国では古くから、不老長寿の食べ物といわれているイチジク。解毒作用が強く、痔やイボ、のどの痛みなどの腫れ物に効果があるとされます。腸を整える食物繊維や老廃物の排出を促すカリウムも豊富です。

画像: 左上の赤い果肉は日本産、右上の小粒は中国産、下の大粒はトルコ産

左上の赤い果肉は日本産、右上の小粒は中国産、下の大粒はトルコ産

画像: おだやかな甘さで懐かしい味。果肉はしっとり優しい舌触り

おだやかな甘さで懐かしい味。果肉はしっとり優しい舌触り

画像: アンズ飴やアンズあんみつなどで、日本でもおなじみのドライフルーツ

アンズ飴やアンズあんみつなどで、日本でもおなじみのドライフルーツ

冷え性改善に
アンズ
HOTフォンダンウォーター

中国の薬学書『本草綱目』には、干しアンズは「解毒作用に優れ、血行促進するので、冷え性、血の巡りに難のある人は毎日数個食すのがよい」と書かれています。肺を潤してセキやタンを抑える働きがあり、暖房のなかった時代に極寒の地で農民たちのカゼ予防に役立っていたようです。また、神経系の興奮をやわらげ、ストレスを緩和するというGABAの作用で、脳の血流改善も期待できます。

画像: ほのかな甘みと酸味、きれいな色で食事が引き立つ

ほのかな甘みと酸味、きれいな色で食事が引き立つ

まとめ

いかがでしたか? 最近では、コンビニや100円ショップでもいろいろな種類のドライフルーツを見かけます。作り方は簡単ですぐにできるので、試したくなりますね。実は私、自宅にあったレーズンとドライマンゴー、ナツメを使って、先ほど早速作ってみました。ほんのり甘くて香り高く、ぜいたくな気分になります。中国茶や紅茶を入れてもおいしそうです。これからの季節、梅雨冷えやクーラー冷えなどの対策にも最適なHOTフォンダンウォーター、ぜひお試しください。

なお、本稿は『温まって、おいしいフォンダンウォーター』(小学館)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

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