オニタビラコは、秋から冬にかけて黄色い花を咲かせるキク科の多年草です。このありふれた雑草にアレルギーを抑える薬効があることはほとんど知られていません。花粉症、アトピー性皮膚炎や老人性皮膚瘙痒症、長く薬を飲んでいると出る薬疹に効きます。【解説】平田真知子(薬草コンサルタント)

解説者のプロフィール

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平田真知子(ひらた・まちこ)

昭和45年より独学で薬草の研究を始め、その後、長崎市の植物学者・高橋貞夫先生に師事し、薬草研究を行う。昭和60年より各地の薬草会の指導を始め、自治体の健康づくり大会で健康相談や、保健所、公民館、老人会や農協などで講演など行う。主宰する「薬草の会」には数百名もの会員が40~100歳という幅広い年齢で在籍している。会員は皆、声にハリがあって大きく、肌ツヤよく、認知症やがんとはほぼ無縁で過ごしている。

今が摘みどき、作りどき!
「オニタビラコ」
【効果・効能】花粉症、湿疹、アトピー性皮膚炎、老人性皮膚掻痒症、じんましん

科学的に証明されているオニタビラコの薬効

スギ・ヒノキ花粉の飛散がピークを迎えています。こんなときこそ「オニタビラコ」の出番です。

オニタビラコは、秋から冬にかけて、黄色い花を咲かせるキク科の多年草です。寒さに強く、住宅地や街中、空き地、道端など、日本中どこでも目にすることができます。そんなありふれた雑草に、アレルギーを抑える薬効があることは、ほとんど知られていません。

そうそう医者を呼べない長崎の離島では、湿疹やじんましんが出ると、オニタビラコが使われていたそうです。大学で内容分析をしたところ、アレルギーを治す成分があることが科学的にも認められました。

採れるのは、9月から翌年6月頃まで。1本の茎に直径1cm弱の黄色い花をたくさんつけます(一茎多花)。花が終わるとタンポポのように白い綿毛が生じ、種子を飛ばします。

多年草ですから、根を残しておくと、わざわざ植えなくても、新しい芽がどんどん出てきます。オニタビラコと同じキク科であるタンポポは、一つの茎に花が一つですが、花の色と形が似ているので、間違えないようにしてください(一茎一花)。

薬効を取り込むには、青汁でも結構ですが、今回は粉末にして、薬草茶や料理に使う方法を伝授しましょう。用いるのは、葉と茎です。花や綿毛を混ぜても結構ですが、わいわいとかさばって扱いづらいので、私は外します。


オニタビラコは、まずゴミを落とすため、水でよく洗い、ホットカーペットの上に新聞紙を広げて乾かします。屋外で乾かしてもよいのですが、色が悪くなる上、風で飛ばされることもありますから、室内が安心です。

1週間ほどホットカーペットに広げておけば、カラカラになります。とはいえ、長く貯蔵するには、わずかに残る水分も飛ばさなくてはなりません。

そこで、次に大鍋を取り出します。オニタビラコを入れ、しゃもじや手袋を使わず、自分の手でじかに混ぜることができる程度の弱い火にかけてください。そうすると、オニタビラコにわずかに残っている湿気が自分の手に絡んできます。さらに混ぜていくと、やがて湿気を感じなくなります。

このとき、できるだけぎゅっと潰すような気持ちで混ぜていくと、最後はミキサーやフードプロセッサーにちょっとかけるだけで粉々になります。乾燥させると10分の1の重量になるので、大量に採取しておきましょう。

一日の摂取量は、大人だと粉末で10〜15‌gで、10歳未満のお子さんは半分ほどです。とり過ぎてもどうということはないですが、お茶でも、料理でもこの量を目安にしてください。

まずは、一番使いやすいお茶にして飲む方法です。粉末をお茶パックに入れてヤカンで作ってもいいですし、急須を使ってもいいです。

毎日作るのが大変なら、数日分をまとめて作って、冷蔵庫に入れておいてもいいです。


オニタビラコは、花粉症のほか、アトピー性皮膚炎老人性皮膚瘙痒症、長く薬を飲んでいると出る薬疹に効きます。また、卵を食べたら急にかゆくなったというような食べ物のじんましんも抑えてくれます。

長く飲んでいると体質改善にもなります。私も以前は肌が弱く、ちょっとかいただけでミミズが這ったみたいに皮膚がぷくっと腫れていたものですが、そんなこともなくなりました。きっと血がきれいになったのでしょう。

薬草会に、2人の娘を持つ会員がいました。ちょうど同じころに妊娠したので、娘たちにオニタビラコを飲むように勧めたそうです。長女は素直に飲みましたが、「そんなもの飲んでどうするの」と飲まなかった妹さんの赤ちゃんはアトピーだったそうです。

また、2人の赤ちゃんがどちらもアトピーで、今も妊娠中というお母さんが私の講演会に来られたので、ぜひオニタビラコを飲むように勧めたところ、3人目の赤ちゃんはアトピーが出なかったと大喜びでした。

子どものアトピーを治したいと思っているお母さんは大勢おられます。オニタビラコの粉末は、ハンバーグや天ぷらの衣に混ぜたりして使えるので、常備してはいかがですか。

子どももかぶりつくオニタビラコのハンバーグ

【用意するもの】
・オニタビラコの粉末7g程度
・ハンバーグの材料

【作り方】
ボウルにひき肉、タマネギ(みじん切り)とオニタビラコの粉末を入れて、混ぜる。成形して焼くと完成。ハンバーグにすると、味や食感で分からなくなるので、子どもでも食べられる。

画像: オニタビラコの粉末

オニタビラコの粉末

画像: ハンバーグの材料に混ぜ込む

ハンバーグの材料に混ぜ込む

画像: 成形して焼くと完成

成形して焼くと完成

画像: 1歳児でも食べられる!

1歳児でも食べられる!

画像: この記事は『安心』2020年5月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『安心』2020年5月号に掲載されています。

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