解説者のプロフィール

祐貴つばさ(ゆうき・つばさ)
「色とココロのコンシェルジュ」、レゼル・ド・マクルール〜私色の翼〜代表。色彩心理カウンセラー。仏ブランド・シャネルの日本法人に、アシスタント、セールスアナリスト、ビジネス企画管理部門マネージャーとして25年間勤務。
選んだ色を「似合う色」にしよう
女性にとって色を取り入れやすいのは、やはりファッション。しかも、毎日着る服の色は、潜在意識に働きかける作用が強くなります。しかし、実際には「似合う色がわからない」「年齢が気になり、無難な色ばかり選んでしまう」という人が多いでしょう。大人の女性が地味な色を着ると、肌のくすみやシミ、シワがよけいに濃く、老けて見えてしまうもの。見た目が実年齢以上に老けていては、自分を「好き」と感じるのは難しくなります。
「惹かれる色」「ありたい自分の色」「魅せたい自分の色」はあなたの心を表現し、内側から輝かせてくれる色です。一方、あなたの肌や目、髪が持っている色もあります。「あなたの持っている色と調和する」と「心を表現する」。この二つを同時に叶える色があります。その色こそ、内側からも外側からもあなたを輝かせてくれます。
顔映りのいい色を見つけるための3要素
「パーソナルカラー」をご存知ですか?
肌、目、髪の色など、あなたが外側に持つ色と調和し、弱点をカバーし、美しさや好印象を導き出してくれる色のグループを「パーソナルカラー」といいます。ここでは、あなたに似合う色をより客観的に理解していただきたいとの思いから、その色のグループを「顔映りのいい色」と呼ぶことにします。
顔映りのいい色は、TPO(時と所と場合)に応じて、「演出したい自分」を作り出してくれる色でもあります。「あなたには赤が似合う」「青が似合う」と色名を限定するものではありません。「赤のなかでも、あなたの魅力を引き出してくれる赤」「青のなかでも、あなたを美しく演出してくれる青」など、一つひとつの色名からも似合う色を選び出すためのグループといえるでしょう。
顔映りのいい色には、3要素があります。それは、「色の明度(明るさの度合い)」「色相(色み)」「色の清濁」です。
1.「色の明度(明るさの度合い)」
明るい色は「明度が高い」といい、暗い色は「明度が低い」といいます。明るい色が似合う場合、顔色を明るく見せます。明るい色が似合わない場合、顔がぼんやりした印象になります。暗い色が似合う場合、顔のパーツが濃く見え、輪郭が引き締まります。似合わない場合、クマやシミ、シワが目立ち、暗く険しい印象になります。
2.「色相(色み)」
色には、黄み寄りの「イエローベース」と、青み寄りの「ブルーベース」があります。たとえば赤にも、黄色のまざった朱赤や、青のまざったローズレッドがあります。イエローベースが似合う場合、血色がよく、健康的に見えます。似合わない場合、顔色がくすんで、のぼせて見えます。ブルーベースが似合う場合、色白で肌がきれいに見えます。似合わない場合、青白く不健康に見えます。

パーソナルカラーはまず「ブルーベース」「イエローベース」の2種類に分けられます。どちらの色のほうが自分の肌の色が馴染みが良いかで区別します。
3.「色の清濁」
澄んだ(クリアな)色を「清色」といい、濁りがある(クリアでない)色を「濁色」といいます。
清色が似合う場合には、輪郭が引き締まり、肌にツヤとハリがでます。清色のなかでも、中くらいの明るさの鮮やかな色は、目鼻立ちをくっきり見せます。清色が似合わない場合、肌にテカリや色ムラを感じてしまいます。濁色が似合う場合、輪郭がソフトに、肌色が均一に、肌質がマットに見えます。目鼻立ちもやわらかく見えます。濁色が似合わない場合、ぼんやりと地味に見えてしまいます。
あなたは「春・夏・秋・冬」どのタイプ?
自分のパーソナルカラーをチェック
顔映りのいい色を見つけるための3要素をかけ合わせると、色は、その印象から「春・夏・秋・冬」という4タイプに分けられます。たとえば、ピンクという一つの色名のなかにも、「春・夏・秋・冬」それぞれの色みのピンクがあります。大人の女性にとって、ピンクという色はかわいらしすぎて、ハードルが高く感じることもあるでしょう。そのピンクにも、あなたに似合う色が必ずあります。
それぞれのタイプに合うピンクを知ろう
《イエローベース》
◆ 春タイプ 「イエローベース」×「清色」×「明るい」が中心
(この色のグループの持つ雰囲気)明るい・元気・かわいらしい・若々しい
◆ 秋タイプ 「イエローベース」×「濁色」×「暗め」が中心
(この色のグループの持つ雰囲気)ゴージャス・シック・落ち着いている・大人の雰囲気

イエローベースに似合うピンク。左が秋タイプ、右が春タイプ。
《ブルーベース》
◆ 夏タイプ 「ブルーベース」×「濁色」×「明るい」が中心
(この色のグループの持つ雰囲気)優しい・涼しげ・ソフト・エレガント
◆ 冬タイプ 「ブルーベース」×「清色」×「暗め、コントラストがはっきり」が中心
(この色のグループの持つ雰囲気)スタイリッシュ・クール・存在感・個性的

ブルーベースに似合うピンク。左が冬タイプ、右が夏タイプ。
黒は「冬タイプ」の色
「黒」は「ブルーベース」×「清色」×「暗い色」で、「冬タイプ」の色になります。そのため「黒」は、春・秋・夏タイプの人には「顔映り」の視点から見ても、苦手な色なのです。また、冬タイプのかたも、「黒」を取り入れたい場合には、バッグやベルト、シューズなど顔から離れたところの小物に使うとよいでしょう。
「魅せたい自分」をかなえる色を身につけよう
▼「魅せたい自分」を叶える色のイメージについては前記事を確認▼