テレワークや外出自粛が続くなか、ノーメイクの顔を鏡で見て、くすみやクマ、小ジワが気になることはありませんか? 睡眠や栄養が足りているのに、お肌の調子が今一つのときは、全身の血の巡りが悪くなっているのかも。効率的に血流を改善し、顔色をよくする方法として、内科医の石原新菜先生は、「短時間ゆっくり走ること」を実践・推奨しています。ランニングの際にも「3密(密閉・密集・密接)」を避け、マスクやフェイスカバーを着用するなどの配慮をしましょう。
【解説】石原新菜(イシハラクリニック副院長)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

石原新菜(いしはら・にいな)

医師。イシハラクリニック副院長。1980年生まれ。帝京大学医学部卒業後、同大学病院で2年間の研修医を経て現職。漢方医学、食事療法を中心とした治療に当たる。クリニックでの診療のほか、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員。2児の母。
▼イシハラクリニック(公式サイト)

「顔色」は健康のバロメーター

顔のツヤさえあれば美人に見える

「40歳を過ぎたら、顔のつくりは関係ない。肌のツヤさえあれば、美人に見える」
お仕事をごいっしょしたヘアメイクさんや美容家の先生が、共通していっていたことです。これには、深くうなずいてしまいました。

「顔色」は健康のバロメーター。私が、テレビや雑誌で健康関連のお仕事をいただく機会が多いのも、顔色がいいのおかげかもしれません。たまに、「新菜先生、お肌キレイですね。化粧品は何を使っているんですか?」と聞かれることがあります。お恥ずかしいことに、いただき物やサンプルなど、手もとにある物をペタペタつけるだけ。もちろん、エステも行きません。

ただ、私は朝30分のランニングを始めてから、肌にツヤが増したことを実感しています。相変わらず睡眠不足ぎみですが、クマも出にくくなりました。肌のくすみやシワ、シミなどもほとんど気にならないのは、やはりランニングの習慣があるからだと思います

また、私の友人に、「合コン前に必ずラニングをする!」という女性がいます。実をいうとこれは、医学的に見ても理にかなっています。ランニングは、エステに行くのと同じくらい、もしくはそれ以上に、肌にハリとツヤを与えてくれるのです。

肌の状態は血流で決まる

肌を再生するには酸素と栄養素が必要

なぜ、ランニングで肌にツヤが出るのでしょうか。

私たちの肌に栄養素を届けるのは、血液です。血液が全身を巡り、肌を再生するために必要な栄養素を配ります。さらに、不要となった老廃物(色素沈着)を回収するのも、血液の役割。血流が悪いと、肌に栄養素が届かないため、皮膚が再生しない。ターンオーバー(肌の入れ替わり)ができないため、古い皮膚が残ってしまい、色素が沈着して、くすみやシミになります。目の下のクマも、血流の悪さが原因です。

顔の皮膚は、他の部位に比べて特に薄いので、血行のよしあしがダイレクトに表れます。血流がよく、酸素と栄養素が隅々の細胞にまで行き届いていれば、肌はみずみずしく、つややかになります。

つまり、肌の状態を決めるのは血流なのです。運動習慣のない人でも、走った直後にはほおが紅潮するのを実感するでしょう。これは、顔の皮膚の血流がよくなるから。でも、日常的に血流量が多いわけではないので、一時的に血液が流れ込んで顔が赤くなり、しばらくすると元に戻ります。

顔に毛細血管が増えて「バラ色のほお」に

毎日ランニングなどの運動をしていると、顔の毛細血管が増えてきます。日常的に顔の表面にたくさんの血液が流れるので、常に血色のいい「バラ色のほお」でいられるのです。先ほどの「合コン前のランニング」は、最後の一撃。皮膚の細胞に、新鮮な酸素と栄養素を大量に送り込むことで、ますます血色がよくなり、ハリとツヤも出現するというわけです。しかも、もともとの毛細血管が多いので、それが持続するというおまけつきです。

もちろん、全身の血流をよくするには、食事と睡眠の質を上げるのが最優先。ただ、そこに運動をプラスすると、一気に効果が上がります。くすみや目の下のクマなどは、短期間で改善するでしょう。肌にハリが出るので、小ジワも目立たなくなります。特にランニングは、「心拍数が上がる」「汗を出す」「血行をよくする」といった効果を、短時間に得ることができます。忙しくて時間のない人には効率的だと思います。

画像: 健康的な肌の新菜先生

健康的な肌の新菜先生

水を飲むだけでは肌は潤わない

肌トラブルの原因は「余分な水分」

よく、「こまめに水分をとっているのに、肌が乾燥する」と嘆く女性がいます。これも血流が関係しています。口からとった水分は、血液がスムーズに流れないと、各細胞に届きません。血流が悪い人は、水をとればとるほど体が冷え、かえって乾燥がひどくなります。肌が乾燥すると、皮膚のバリア機能やターンオーバーのサイクルが乱れ、シワだけでなく、くすみやシミの原因にもなるのです。

東洋医学では、ニキビや吹き出物だけでなく、じんましん、湿疹、水泡、アトピー性皮膚炎など、すべての肌トラブルは、よけいな老廃物が皮膚から漏れ出たと考えます。老廃物には、「余分な水分」も含まれます。そのため、肌にトラブルを抱えている人には、「老廃物や水分を出す」漢方薬を処方します

「一日一汗」を習慣にしよう

同時に、日常生活で「汗をかく」ことを習慣にするよう指導します。血行をよくして、余分な水分や老廃物を出すには、運動が最も効率的で確実です。

私はよく患者さんに、「一日一汗(いちにちいっかん)ですよ」とお話しします。1日1回は、必ず自主的に汗をかいてください、という意味です。「暑い日に、じっとしていても汗をかく」というのではなく、早歩きしたり、走ったり、体操したり、お風呂にゆっくりつかったりして、汗をかいてほしいのです。そうすることで、汗腺が開き、腸の動きもよくなって、水分も老廃物もしっかり出ていきます。その習慣が、肌のトラブルを根本から改善するのです。

画像: お風呂にゆっくりつかって汗を出すのもお勧め

お風呂にゆっくりつかって汗を出すのもお勧め

紫外線対策、どうする?

日光にはビタミンDを生成する作用も

近年、オゾン層の破壊によって紫外線を浴びやすくなり、母子手帳から「日光浴の推奨」が削除されるなど、「日に当たるのは体によくない」という風潮があります。
もちろん、紫外線を浴びることで、皮膚がダメージを受け、シミやシワなどを引き起こしたり、皮膚ガンのリスクを高めたりすることは事実です。

でも、「紫外線が怖いから」という理由で、外に出るのを極端に控えることが、逆に健康を害してしまうケースも出てきています。

栄養素の多くは食事から得られますが、ビタミンDを含む食品は少なく、日光を浴びて皮膚で生成するのが効率的です。ビタミンDには、カルシウムの吸収を高める作用があるため、骨粗鬆症(骨にスが入ってもろくなる病気)の薬として一般的です。

夜ランや日陰ランも楽しい

もちろん、わざわざ紫外線を浴びる必要はありません。私も、走るときには顔に日焼け止めを塗っています。日焼け止めを塗ったうえで、30分ランニングをする際に浴びる紫外線は、体に害を与えるほどではありません。

ちなみに、肌の弱いラン仲間の1人は、紫外線の強い時期だけ、夜、走っています。また、別のラン仲間は、日陰ばかりのルートを調べて走っているそうです。
日没時間を調べたり、地図を眺めたり。そんなことも、けっこう楽しいものですよ。

なお、本稿は『女のキレイは30分でつくれる』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

画像: ▼テレビで大人気のドクターが「キレイになるスイッチ」を大公開!▼温活・冷え取りを勧める医師として、テレビや雑誌で大人気の石原新菜先生が毎日行っている30分の健康美容法を公開。▼心が安定し、肌がキレイになり、「見た目年齢」が若返る! ▼やせ体質に一変して、取れにくかった背脂もスッキリ消える! ▼人間関係がスムーズになって、家族円満、仕事の効率もアップする。▼たった30分の時間の使い方で、生き方まで変わる。▼自身の体験をもとに、下半身を効率的に動かす「ちょいラン」の効能を、医学的に解説した1冊。 www.amazon.co.jp

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