プロフィール

青木沙織里(あおき・さをり)
1969年生まれ。19歳よりモデルを始め、『non-no』(集英社)などの女性ファッション誌や、CM出演など幅広く活躍。趣味も多彩で、キックボクシング、ピラティス、バッグ製作などに精を出すが、性格は自称「ずぼら」。現在も主にCMや雑誌の場で活躍しており、海外での撮影など多忙な日々を送る。
パックのあとは肌の色がワントーン明るく
※肌に塗る際は、必ずパッチテストを行ってください。少量を塗ってしばらく時間をおき、様子を見て、赤みやかゆみなどの異常が現れたら、直ちに中止してください。
[別記事:酒かすパックの作り方→]
職業がモデルというと、美容に関して気を遣って、時間もかけていると思われるかもしれません。しかし実際のところ、ずぼらな性格ゆえに、手間暇かけてというのはめんどうで、美容に関しても、手抜きで効果を得ることを目指しています。
そんな私のイチ推し美容法が、今回ご紹介する酒かすパックです。
酒かすパックをするのは一日おきくらいですが、必ず肌のくすみが取れて、肌の色がワントーン明るくなります。また、酒かすパックをするようになってから、以前よりも化粧水の浸透がよくなりました。
これだけでも美容効果としてはかなりのものだと思うのですが、最近、よく会う友人に「シミが薄くなったよね」といわれたのです。酒かすパックを始めてから半年ほど経ったころだったので、ジワジワと薄くなっていたのでしょう。鏡を見たら、確かに薄くなっていました。
日本酒造りの杜氏の手がキレイ、という話は私も聞いたことがありましたが、シミまで薄くなるとは──こうじのパワーを実感しました。
こんなにすごい酒かすパックですが、材料は、酒かすと精製水だけです。この二つを混ぜてペースト状になれば出来上がりです。ちなみに、水は、和歌山の天然水を使用しています。
酒かすと水は、基本的には1対1くらいの割合ですが、板状の酒かすを使うときには水を多くして、すり粉木でつぶすようにすると早く混ざります。つぶつぶが残っていても、私の場合は気にしません。
使い方も簡単です。お風呂で全身を洗ったあとに、顔の水分をタオルで軽くふき、指先で酒かすパックを顔に塗ります。指先や小鼻に酒かすの粒々がついているときには、そのままスクラブ感覚で小鼻の際をクルクルとこすります。
そのあと、湯船につかって10分経ったら、湯船の中で酒かすを洗い流して完了です。酒かすが湯船に溶けて「酒かす風呂」になり、体全体がしっとり潤います。
湯船に入る時間がなくてシャワーだけで済ませる日は、お風呂上がりに酒かすパックを顔に薄く塗り、そのまま歯磨きをしたり、テレビを見たりしたあと、ぬるま湯で洗い流します。
髪の紫外線ダメージが気になっていた昨年の夏、「こんなにいいのだから、髪にもいいはず」と思い、ヘアパックに使ってみたら、これまたいい感じで髪がサラサラになりました。
ヘアパックは、シャンプー後に軽くタオルドライしてから、酒かすパックを髪にペタペタ塗ります。シャワーキャップをかぶって湯船につかり、その後、シャワーで洗い流します。顔に塗ったときに髪にも塗ってしまえば、ペタペタする作業は一度で済みます。
肌の弱い夫の保湿ケアにもぴったり
私にとって、お手軽スペシャルケアの酒かすパックですが、始めたきっかけは、夫でした。
私の夫は皮膚が弱く、化粧品でかぶれたり、疲れて体調が悪いときには赤く小さな湿疹がブツブツと顔に出たりすることがよくあります。慢性的なアトピー体質といえるでしょう。
肌が乾燥してかさついているときには湿疹も出やすく、よく「保湿パックみたいな物が欲しい」といっていました。
そこで、肌トラブルの心配がない保湿ケアをインターネット検索して、見つけたのが市販の「酒かすパック」だったのです。
商品の説明を見ると「酒かすにはアミノ酸、ビタミン、酵母などの栄養素が含まれていて、高い保湿性がある」とありました。また、原材料は酒かすと精製水だけなので、夫の肌にも安心かと思ったのです。
買おうかなと考えているうちに、自分でも作れそうなことに気づきました。たまたま冷蔵庫には、焼き魚に使った酒かすが、次に使う当てもなく残っていました。「あれを使おう」ということで、酒かすパックを始めたのです。
敏感肌の夫は、私のように酒かすの粒々で肌をこすったりしませんが、私と同じようにパックしたあとはしっとりして、肌の状態がよくなります。
肌が潤うと、湿疹も防ぐことができるので、アトピー体質の夫にもとても好評です。
冷蔵保存と1週間で使い切ることさえ守れば、作りおきもできます。ずぼらな私にはぴったりの美容法です。
[別記事:酒かすパックの作り方→]

この記事は『壮快』2020年4月号に掲載されています。
www.makino-g.jp