厚生労働省の食生活指針では、健康増進のため1日に350gの野菜をとることを推奨しています。数ある野菜のなかでも、タマネギの健康効果は目をみはるものがあります。野菜不足の解消に利用しない手はありません。【解説】廣瀬弘美(名古屋文理大学食物栄養学科助教・糖尿病病態栄養専門管理栄養士)

解説者のプロフィール

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廣瀬弘美(ひろせ・ひろみ)
名古屋文理大学食物栄養学科助教。糖尿病病態栄養専門管理栄養士。名古屋栄養短期大学生活科学科、名古屋文理短期大学栄養士養成所・栄養士科を卒業後、松波総合病院栄養科、北田内科クリニック糖尿病外来、国立名古屋病院栄養管理室、山内ホスピタル栄養科などに勤務。第21回日本病態栄養学会で糖尿病レシピコンテスト優秀賞を受賞。がん病態栄養専門管理栄養士、日本病態栄養専門管理栄養士、日本糖尿病療養指導士。日本糖尿病学会、日本病態栄養学会に所属。

数ある野菜のなかでも目をみはる健康効果!

[別記事:タマネギが血液をサラサラにすると判明!→

以前に管理栄養士として地元の総合病院に勤務していた際、北田雅久先生といっしょに、糖尿病患者さんの教育入院と糖尿病教室を担当しました。そのご縁で、北田先生が開業されてからも、クリニックの糖尿病外来で、栄養・療養指導に携わっています。

糖尿病教室で料理教室を開講した際に、血液サラサラ効果が高い健康食材として取り上げたのが、「タマネギ」です。

厚生労働省の食生活指針では、健康増進のため、1日に350gの野菜をとることを推奨しています。

野菜不足や食の偏りが肥満を招き、糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の、発症要因となっているのは明らかです。すでに糖尿病を患っている場合の食事療法では、野菜摂取量は1日に360gが目標です。

タマネギは比較的安価で、季節を問わず手に入る、最も身近な野菜の一つです。野菜不足の解消に、タマネギを利用しない手はありません。

そして、数ある野菜のなかでも、タマネギの健康効果は、目をみはるものがあります。

タマネギには、スルフィド類(イオウ化合物)の一つである硫化プロピルが、豊富に含まれています。血液をサラサラにし、生活習慣病の予防や改善につながる効果が期待できます。

栄養学的には、硫化プロピルはビタミンB1の吸収をよくします。例えば、豚肉とタマネギをいっしょに炒めると、豚肉に豊富なビタミンB1を効率よく摂取できるというわけです。工夫次第では、ビタミンB1不足による疲労の解消や、不眠の改善にも役立つでしょう。

タマネギには、色素成分の一種である、ケルセチンも含まれています。ケルセチンには、硫化プロピル同様に、血液をサラサラにし、血管をしなやかに保つ効果が期待されています。

また、ケルセチンは脂肪の吸収を抑制します。悪玉といわれるLDLコレステロールを下げ、ダイエットに役立つとして注目されているのです。

さらに見逃せないのが、タマネギに含まれるアミノ酸の一種であるグルタチオン抗酸化に役立つ成分として、知られています。

グルタチオンには解毒作用もあるので、食物繊維や、利尿作用のあるカリウムとともに、老廃物や余分な水分の排出を促進。便秘解消やむくみの改善、肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促すことから、美肌効果も期待できるでしょう。

便秘知らずで肌荒れやむくみにも効果を実感!

クリニックの料理教室では、さまざまなタマネギ料理を提案し、調理実習を行いました。

ペコロスという小さなタマネギを丸ごと、ホタテといっしょに煮込んだコンソメスープや、タマネギとパプリカなどの彩りのいい野菜を、甘酢に漬けたピクルスも作りました。

また、無農薬栽培のタマネギの皮を煮出した「タマネギの皮茶」も紹介(基本の作り方は、別記事参照)。色はまるで紅茶のようで、タマネギのにおいもありません。温めても冷やしても、さっぱりしていて飲みやすいと好評でした。

[別記事:タマネギの皮茶の作り方→

画像: 「さっぱりして飲みやすい」と好評の皮茶

「さっぱりして飲みやすい」と好評の皮茶

その後、タマネギを常食するようになった患者さんから、うれしいご報告が、たくさん寄せられました。「高血圧が改善した」「血糖値が下がって、医師にほめられた」「高かったヘモグロビンA1cが正常になったのは、タマネギを毎日食べたおかげかな」といったようなお声です。

また、「タマネギは、炒めるものだとばかり思っていたけれど、どんな調理法でもおいしく食べられると知った」という感想もいただきました。

タマネギは使い勝手がよいので、私も、よく料理に用いています。煮物にタマネギを入れると、自然な甘みでおいしくなるうえ、砂糖の使用量を減らせます。みそ汁にも、よく入れますし、ざく切りにして、鍋物に加えることもしばしばです。

タマネギを日ごろからよく食べていると、便がスルッと出て便秘になりません。肌が荒れることも少なく、むくみの予防・改善効果を実感しています。

タマネギの血液サラサラ効果を効率よく得るには、生で食べるのがいちばんといいます。ツンとした辛みが気にならなければ、薄くスライスしてサラダに加えるといいでしょう。

タマネギが苦手な場合は、細切りやみじん切りにして、煮込み料理などに加えてみてください。溶けて形がなくなる一方で辛みが消え、甘くなるので、おいしく食べられます。加熱するとかさが減るので、そのぶん野菜の摂取量が増えるという利点もあります。

生にも加熱にもそれぞれのメリットがあるので、どちらがよいということはありません。ご自身にとって食べやすい、調理しやすい方法で、ふだんから意識してタマネギをとり続けることが、血液サラサラへの近道といえるでしょう。

[別記事:タマネギレシピ→

画像: この記事は『壮快』2020年4月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2020年4月号に掲載されています。

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