プロフィール

モロ師岡(もろ・もろおか)
1959年生まれ千葉県八街市出身。1996年『キッズ・リターン』で東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞。ひとりコントや古典落語を現代に置き換えたサラリーマン落語をライフワークとして精力的に開催。近年の出演作に映画『あゝ荒野』『ザ・ファブル』、テレビ『下町ロケット』『これは経費で落ちません』、舞台『私に会いに来て』(原作は韓国映画『殺人の追憶』)『不幸の正義の味方』(立川志らくダニーローズ)、方南ぐみ企画公演朗読劇『青空』など。
血圧が180ミリまで上昇し降圧剤を再開
[別記事:納豆!寒天!ショウガ!みそ汁レシピ→]
7~8年くらい前に健康診断を受けた際、血圧が高いことを指摘されました。親も血圧が高いほうでしたから、体質なんでしょう。でも、それまで、不思議と血圧について指摘されたことはなかったのです。
そのときの最大血圧は確か、150mmHgくらいだったと思います(最大血圧の基準値は140mmHg未満)。担当医から降圧剤を勧められて、飲み始めました。
しかし、特に体調に変化がなかったこともあって、真剣にとらえていませんでした。けっきょく、薬も飲んだり飲まなかったりしているうちに、やめてしまったのです。
降圧剤をやめてしまった影響か、やがて、体に悪い変化が現れ始めました。
眼球の血管が切れ、頻繁に白目が真っ赤になるようになったのです。眼科の先生からは、「直接、高血圧と関係があるとはいえず、切れやすい人はいますよ」といわれましたが、少なくとも降圧剤をちゃんと飲んでいた間は、切れることはありませんでした。
撮影の機会も多いので、目が真っ赤になっては、仕事にも支障がでます。また、舞台で演技をしている最中に、めまいを起こすようになりました。舞台中は、緊張して血圧が高くなっているからだと思います。演技中に倒れたら大変だと思いました。
さらに、心電図をとったときに、不整脈を指摘されたこともあります。このように、いろいろな症状が出てくるとともに、最大血圧が180mmHgくらいまで上昇してしまうことも増えてきました。
この状態では、さすがに薬なしというわけにはいかず、一度やめてしまった降圧剤を再び飲み始めました。
寒天は汁気がある物なら何にでも入れられる
こうした経緯があったので、健康情報番組の仕事がきたのでしょう。
2019年の2月ごろ、番組の依頼で人間ドックを受けたところ、微小脳出血の跡が見つかりました。高血圧によって脳の血管が劣化し、傷んだ部位から血液が漏れ出してしまったのだそうです。隠れ脳出血ともいわれるそうで、やがて脳梗塞にもつながりやすいと聞きました。
そうしたことを受けて、番組内では寒天を活用し、血圧を下げる企画にチャレンジすることに。少しでも下がればいいなと思って、食べ始めました。
寒天は、粉や糸状の物ではなく、袋入りでひと塊になっている物を食べていました。1日1袋が目安で、1袋を3食分に分けて食べます。
分けた物をそのまま、汁物に入れるのです。寒天自体には味がなく、料理のじゃまにもならないので、全く抵抗なく食べられました。
「寒天みそ汁」は定番メニューの一つです。朝食にみそ汁があれば、必ずそこに入れます。
昼食は外で済ますことが多いですが、そこでも持ち歩き、例えば、ラーメンだったらスープに入れます。夜は夜で、みそ汁があれば寒天みそ汁に、なければ何かに浸して食べます。
私の場合、降圧剤を飲んでいても、最大血圧が140mmHgを超えていました。降圧剤なしでは、180mmHgを超えてしまうので、下がっているのは確かでしたが、なかなかそれ以下になりません。
それが寒天を食べ始めると、最大血圧は140mmHgを切り、130mmHg台前半までジリジリと下がってきました。
今は、最大血圧が132mmHg、最小血圧が80mmHg台で、ほぼ安定しています(最小血圧の基準値は90mmHg未満)。舞台でめまいが起こることもなくなりましたし、眼球の血管も切れなくなって、ほっとしています。
寒天みそ汁は非常にお手軽ですが、カレーやおでんなど汁気のある物ならば、何にでも入れられます。特におでんに入れた寒天は、だしの旨みを吸って、具の一つのようです。
役者は体が資本。血圧のコントロールに気を遣って、これからも、いい芝居、いい演技をしていきたいですね。
血圧降下に期待が持てるすばらしい食材(横浜市立大学名誉教授 杤久保 修)
高血圧は放置すると、脳梗塞や心筋梗塞、動脈硬化や腎臓病など、さまざまな病気の原因となります。
寒天は入手も使い方も簡単で、血圧降下に期待が持てるすばらしい食材です。何にでも合うので、食べたかたからはおおむね好評です。
ただし、薬の服用は慎重に。自分で判断することなく、主治医とよく相談してください。
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この記事は『壮快』2020年3月号に掲載されています。
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