プロフィール

加藤登紀子(かとう・ときこ)
1943年、ハルビン生まれ。66年、東京大学在学中に歌手デビュー。多くのヒット曲を世に送り出す。国内のみならず、ニューヨーク・カーネギーホール公演をはじめ、世界各地でコンサートを行う。
納豆やみそ、ヨーグルト漬物など発酵食品が好き
[別記事:納豆!寒天!ショウガ!みそ汁レシピ→]
以前は、年齢に対して身構えていたところがありました。でも今は、「年を重ねるって悪くないな」と思っています。
思い返せば30〜40代は、体調をくずしがちでした。娘3人の子育てと仕事をこなす生活で、疲労困憊していたのでしょう。
子育て中は、自分のことは二の次になりがちです。とはいっても、あまりの不調に危機感を覚え、「もっと自分の体をケアしなくては」と、ストレッチを始めました。
40代のころは体がかたくて、どこか動かすたびにバキバキ音がしていました。今は、床に楽々手がつきますし、腕はまっすぐ上に伸びます。
「年を重ねる=退化する」なんて、うそですね。

「腕がスッと上がります」
日々の暮らしのなかで、私が守っているのは、朝食をとること。家にいるときのメニューは、パンにみそ汁、ヨーグルト、野菜、漬物などです。
最近のみそ汁の定番は、納豆みそ汁。コンサートツアーで家を空けることが多いので、好物の納豆は冷凍庫に常備しています。納豆を解凍してお椀に入れ、熱いみそ汁を注ぐと、トロッとして、なんともいえないおいしさです。
納豆みそ汁を食べると、頭も体もシャキッと目覚めて、元気に一日を始められます。
また、私は子供のころから母の漬けたカブの塩漬けが好きで、今も漬物が大好物。高級なお店でコースをいただいても、最後につい、「お漬物がおいしかった」なんていっちゃうほどです。
2002年に亡くなった夫が、「納豆は世界を救う」といい続けていました。ですから、私も大豆や納豆には思い入れがあります。
納豆やみそ、ヨーグルト、漬物……。食卓を眺めると、私はつくづく発酵食品が好きなんだと思います。
みそとしょうゆは、年に一度、仲間といっしょに仕込む自家製です。原料の大豆も、自分たちで栽培しています。
しょうゆをしぼる日は、餅つきが恒例です。つきたてのお餅に、しぼりたての生じょうゆをつけて食べるのは最高! 毎年楽しみです。
トイレで歌うと腸の調子がいい!
実をいうと以前は、腸の調子があまりよくない時期がありました。ところが、朝のみそ汁をはじめ、発酵食品を毎日とる食生活になってからは、ものすごく快腸です。
食事のほかには、朝のトイレでの発声練習が、お通じにいいみたい。
自分の体に、声や息の流れを感じながら、自由に声を出します。お坊さんが読経するような感じ、といったらいいかしら。音程なんて気にしません。気持ちよく歌えばいいんです。
大事なのは、決してがんばらないこと。鼻歌くらいのイメージでのんびりやると、すごく便通がいい。「出さなくちゃ!」と気合いを入れるとダメ。腸の弁が、閉じちゃうみたいです。
いい声が出たときは、お通じも◎。あまり大きな声ではいえないけれど、トイレでの声出しは、皆さんにもお勧めです。
私は、人生を25年ごとに区切って考えています。75歳になって、今ようやく第4幕が始まったところです。
2019年秋には、歌手デビュー55周年を迎え、これまでの自分の足跡をまとめたCDボックスを出しました。「1秒も無駄にせず、ほんとうに大事なものを」という思いを込めて107曲を選び、収録しました。
やりたいことに向かって邁進する。そんな豊かな季節を迎えられたことに、感謝しています
自律神経の働きを正常化する食生活(順天堂大学医学部教授 小林弘幸)
加藤さんは、みそ汁を中心とした朝食を、しっかりとっています。こうした食生活が腸を刺激し、血管や内臓を調整する自律神経の働きを正常化します。
納豆をみそ汁に加えるのも、非常にいいアイディアです。植物性たんぱく質であり、発酵食品である納豆とみそを、一度にとることができます。
トイレでの発声練習も、自律神経の上手なコントロールにつながります。感心しました。腸は、リラックスすると動き、気合いを入れると止まるのです。
加藤さんがストレッチをする姿を拝見し、柔軟性とあふれる活力に感服しました。老化や病気が逃げ出す体です。ますますのご活躍を、楽しみにしています。
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