肌の保湿力や弾力の衰えを防ぎ、新陳代謝を活性化するために必要な栄養素は、たんぱく質、脂肪酸、カルシウム、亜鉛、銅、セレン、ビタミンA、B、C、D、Kなど。アボカド納豆を食べると、美肌に必要な栄養素をかなりカバーできます。【解説】伊藤明子(赤坂ファミリークリニック院長)

解説者のプロフィール

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伊藤明子(いとう・みつこ)
赤坂ファミリークリニック院長。帝京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院での臨床研修を経て、同病院の小児科に勤務する。2017年、赤坂ファミリークリニックを開業。テレビで活躍しているほか、『小児科医がすすめる最高の子育て食』(講談社)などの著書がある。

美しい肌になるための栄養素が豊富

私はクリニックでの一般診療に加え、栄養・食事療法のアドバイスを行っています。

例えば皮膚で言えば、化粧品でいくら表面からカバーしても、細胞に栄養分が行き届いていないと、肌荒れや老化の原因となります。肌を作っている細胞を健康に保つためには、何を食べるかということが、非常に重要なのです。

そこで私がお勧めしているのが「アボカド納豆」です。

アボカド納豆が肌にいい理由は、アボカド、納豆、それぞれの栄養素が組み合わさることで、美しい肌になるために必要な栄養素を、多くとることができます。

まず、アボカドですが、不飽和脂肪酸(植物や魚の脂に多く含まれるもの)が豊富です。不飽和脂肪酸は、肌の乾燥を内側から防ぐ力があり、アトピー性皮膚炎の人はこの不飽和脂肪酸が足りません。

また、美肌に必要なビタミンも、アボカドにはたくさん含まれています。皮膚や粘膜の健康維持に役立ち、肌荒れを防いでくれるビタミンB、シミ、そばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑え、肌の弾力を保つビタミンC、抗酸化作用があるビタミンEなどです。

むくみを解消する効果のあるカリウムはバナナよりも多く含まれており、老廃物の排出にも役立ちます。

腸内環境を整える食物繊維も豊富に含まれているため、便秘の改善も期待できるでしょう。

このようにアボカドは、「食べる美容液」と呼ばれているのも納得できるくらい、肌に必須な栄養素がたくさん含まれている食材なのです。

肌以外にも、糖尿病の予防効果、悪玉コレステロールや中性脂肪を抑える、関節炎の改善といった健康効果が長年の研究でわかっています。

しかし、カロリーは高めなので、食べ過ぎには注意してください。1日に2分の1個、もしくは1日おきに1個食べるといった食べ方がお勧めです。

美肌をキープするには腸を整えることが大事

次に納豆ですが、肌を作るために欠かせないたんぱく質、血液をサラサラにしてくれるビタミンKナットウキナーゼ、皮膚の再生を促してくれるビタミンB群、抗酸化作用のあるポリフェノールが含まれています。

また、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボン、腸を元気にしてくれる食物繊維も豊富です。

女性は加齢とともにエストロゲンの分泌量が減少し、やがて閉経を迎え、それに伴い、「更年期障害」と呼ばれる体と心のトラブルに陥ることがあります。

そこで大豆イソフラボンは、エストロゲンの不足を補い、トラブルの予防が期待できるのです。

そして納豆は発酵食品なので、代謝を促進し、腸内環境を整えてくれます。腸と肌は密接な関係があり、腸の調子が悪くなると、吹き出物ができやすくなります。

そのため、美肌をキープするためには、ふだんから腸を整えておく必要がありますが、納豆を食べることで腸内環境はよくなるのです。

さらに、納豆を食べ続けると、心臓や血管の病気にかかりにくいという研究結果があります。このように納豆は、肌だけではなく、健康にも非常にいい食材なのです。

画像: 2日に1回程度アボカド納豆を食べるだけでふっくらとしたトラブルのない肌が目指せる

2日に1回程度アボカド納豆を食べるだけでふっくらとしたトラブルのない肌が目指せる

たんぱく質をプラスするとほぼ完全な美肌食に!

肌の保湿力や弾力の衰えを防ぎ、新陳代謝を活性化するために必要な栄養素は、たんぱく質、脂肪酸、カルシウム、亜鉛、銅、セレン、ビタミンA、B、C、D、Kなどです。

すべてを毎日の食事でとるのは難しいですが、アボカド納豆を食べると、たんぱく質、脂肪酸、ビタミンB、C、Kがとれるので、かなりカバーできることがわかります。

特に女性は、たんぱく質が足りていない人が多いのが現状です。アボカド納豆の納豆にもたんぱく質は含まれますが、もっとたんぱく質を増やせば、より一層、美肌への効果が高まるでしょう。

アボカド納豆がさらにおいしくなるたんぱく質といえば、マグロです。そのほか、卵の黄身、カルシウムも豊富なシラス、アジの干物をほぐしたものなどもいいでしょう。

さらにおいしく、栄養価をアップするために、オクラやメカブなどのネバネバ系、すりゴマ、シソ、ミョウガなどの薬味を合わせるのもお勧めです。

腸を整える酢や、ビタミンCが豊富なレモン、カボスなどの酸味もプラスすると、美肌効果をアップしてくれます。

味付けは、エクストラバージンオリーブオイルやアマニ油がお勧めです。物足りない方はしょうゆを入れてもいいのですが、塩分は肌の炎症につながるので、控えめに。

アボカド納豆にこれらの食材を混ぜたものをご飯やそばに乗せたり、合わせて食べたりすると、たった一食で、“ほぼ完全栄養食”となります。

アボカドも納豆も、スーパーで一年じゅう手に入り、火を使わず混ぜるだけなので簡単です。どなたでも実践しやすく、おいしい食べ物なので、ぜひ一度、食べて効果を実感してください。

アボカドの身を取り出し納豆と混ぜるだけ!
「アボカド納豆」超簡単レシピ

画像: アボカドの身を取り出し納豆と混ぜるだけ! 「アボカド納豆」超簡単レシピ

【 材料 】(1人分)
アボカド…1/2個
納豆…1パック
しょうゆ…小さじ1弱
青ネギ(小口切り)…少々

【 作り方 】
アボカドは身をスプーンで取り出し、器に入れてフォークなどで潰す
①に納豆、しょうゆを混ぜる。器に盛り、青ネギを散らして完成

画像: アボカドに含まれるビタミンKは、100gのアボカドで1日の摂取基準量の4分の1がとれる!そのほか、葉酸やビタミンC、ビタミンB6、カリウムが含まれており、カリウムはバナナより多い

アボカドに含まれるビタミンKは、100gのアボカドで1日の摂取基準量の4分の1がとれる!そのほか、葉酸やビタミンC、ビタミンB6、カリウムが含まれており、カリウムはバナナより多い

画像: 納豆1パックには、ビタミンB群、ビタミンK、抗酸化作用の高い大豆サポニン、疲労回復効果のある大豆ペプチドなどが含まれている。納豆の研究論文はなんと8600本以上!

納豆1パックには、ビタミンB群、ビタミンK、抗酸化作用の高い大豆サポニン、疲労回復効果のある大豆ペプチドなどが含まれている。納豆の研究論文はなんと8600本以上!

プラスするだけで、さらに美肌をかなえる!
アボカド納豆活用レシピ

バクダン丼

画像1: プラスするだけで、さらに美肌をかなえる! アボカド納豆活用レシピ

【 材料 】(1人分)
マグロ刺身用(切り落としなど)…80g
ワサビ…少々
しょうゆ…大さじ1
ご飯…1膳分
もみのり…適量
すりゴマ…小さじ2
大葉(千切り)…3枚
アマニ油…小さじ2
卵黄…1個
Ⓐアボカド…1/2個
 納豆…1パック
 しょうゆ…小さじ1弱

【 作り方 】
マグロはワサビを溶いたしょうゆに10分くらいつけておく。Ⓐを混ぜる
器に温かいご飯を盛り、もみのりをのせる
①のマグロのしょうゆを切り、②にのせ、Ⓐをかける
③にすりゴマ、大葉を散らし、アマニ油をかけ、卵黄を落として完成


サーモンサラダアボカド納豆ソースかけ

画像2: プラスするだけで、さらに美肌をかなえる! アボカド納豆活用レシピ

【 材料 】(1人分)
サーモン刺身用…80g
塩…少々
アボカド…1/2個分
オクラ…4本
Ⓐ納豆…1パック
 しょうゆ…小さじ1弱
 レモン汁かユズの絞り汁…小さじ1
 アマニ油…小さじ1
 マヨネーズ…大さじ1

【 作り方 】
サーモンの刺身に塩少々を振っておく
アボカドは皮を取り除き、スライスしておく
オクラはさっと茹でて、縦半分に切る
Ⓐ(納豆ソース)の材料を混ぜる
器に①のサーモン、②のアボカド、③のオクラを盛り、④の納豆ソースをかけて完成

画像: この記事は『ゆほびか』2020年3月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『ゆほびか』2020年3月号に掲載されています。

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