ハミングをする際は、胸、鼻腔、副鼻腔を一連の楽器のように考えて、これをなるべく共鳴させることが理想的です。ハミングは副鼻腔を振動させる効果と、正しい鼻呼吸が身につくことで、鼻の症状の改善に役立つのです。【体験談】白壁慶子(ボイストレーナー)

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白壁慶子(しらかべ・けいこ)
ボイストレーナー。

副鼻腔を振動させて正しい鼻呼吸が身につく

ボイストレーナーである私の教室に来られる生徒さんは、カラオケを上達させたい、かすれた声をキレイにしたいなど、さまざまな目的をお持ちです。

そんな皆さんにお勧めしているのが「ハミング(鼻歌)」です。ハミングをすると、歌が上達して声が若返るだけでなく、鼻づまりが解消するのです。

鼻の穴の奥には、鼻腔のほか、副鼻腔(上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)と呼ばれる空洞があります。

画像: 副鼻腔を振動させて正しい鼻呼吸が身につく

ハミングをする際は、胸、鼻腔、副鼻腔を一連の楽器のように考えて、これをなるべく共鳴させることが理想的です。

上手なハミングというのは、これらの空洞を最大限振動させるものです。今まで出せなかったような、響きの豊かな音を出すことができます。

ハミングをする際は、口呼吸ではなく鼻呼吸です。

口呼吸がクセになっているかたは、最初はうまくいかないかもしれません。しかし、くり返しハミングの練習をすれば、しだいに鼻呼吸ができるようになります。

このように、ハミングは副鼻腔を振動させる効果と、正しい鼻呼吸が身につくことで、鼻の症状の改善に役立つのです。

ハミングを行う際のポイントをお話ししましょう。

まず、肩幅くらいに足を開いて、まっすぐ立ちます。座ったり背すじが曲がったりしていてはいいハミングはできません。

手のひらを外に向け、腕を伸ばしてください。こうすると、自然に胸が開いて音を出しやすくなります。あごは、心持ち上に向けましょう。

くり返しになりますが、呼吸は、鼻呼吸が原則。必ず鼻から吸って、鼻から吐きます。

次に、ハミングする際に重要なことは、舌を上あごに押しつけることです。

いつも口呼吸をしていて舌の筋力が弱っているかたは、苦しく感じられるでしょう。初めは難しくても、ハミングを続けているうちに、しだいに舌を上あごにつけられるようになるはずです。

深く長い呼吸を伴う『君が代』がお勧め!

それでは、ハミングをしてみましょう。お好きな曲でいいですが、鼻づまりを解消するためにピッタリな曲が、『君が代』です。

君が代は、ハミングで副鼻腔を振動させるうえで最適です。やや低めの音から始まって高音域へと移行していきますが、それに合わせるように、眉間の辺りに音を響かせるつもりでハミングしましょう。 

低音を響かせるときは、主に胸を使うのですが、高音になるにつれて、鼻腔やさらに上の副鼻腔を使って音を響かせます。高い音をよく響かせることが、鼻づまりを解消することにつながります。

また、ゆったりとしたリズムの君が代は、深く長い呼吸を伴うので、この点でも鼻づまり解消に役立ちます。ハミングが上達してくると、副鼻腔が響いて、震えているのを実感できるようになるでしょう。

実際に、私の生徒さんのなかには、毎日のハミングで副鼻腔炎の症状が改善したかたがおおぜいおられます。

特に印象に残っているのが、30代の女性Aさん。子供のころから、副鼻腔炎に悩まされてきたかたです。以前、鼻の手術も受けたとのことで、副鼻腔炎と後鼻漏(鼻汁がのどに垂れる症状)に悩んでいました。

そこで、ハミングをしてもらったところ、レッスンの最中に早くも、鼻がスーッと通ってきたのです!それ以来、Aさんは、ハミングを毎日の習慣として続け、鼻の悩みからはすっかり解放されたと喜んでおられます。

副鼻腔炎でお困りの皆さんは、ぜひ、君が代のハミングを試してみてください。毎日きちんと続ければ、きっと鼻どおりがよくなって、スッキリしてくるでしょう。

画像: 『君が代』のハミングで鼻スッキリ!

『君が代』のハミングで鼻スッキリ!

血管を広げる一酸化窒素が15倍に上昇すると判明(きたにし耳鼻咽喉科院長 北西 剛)

ハミングは、副鼻腔炎に伴う鼻づまりの解消に有効です。それは、ハミングをすることで、鼻腔内の一酸化窒素(NO)の濃度が上昇するからです。

スウェーデンのカロリンスカ研究所が健常者を対象に行った実験によると、ハミングを行ったときに、鼻腔内の一酸化窒素の濃度が15倍に上昇することが判明しています。

一酸化窒素は、血管を広げて血流をよくする効果があるので、鼻の粘膜を保護するのに役立ちます。

さらに、ハミングをすることは、万病のもととなる口呼吸を防ぐことにつながります。日ごろからハミングをするように心がけ、鼻腔内が潤った状態になるようにしてください。

画像: この記事は『壮快』2020年2月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2020年2月号に掲載されています。

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