大根は干すことで栄養価が急増する野菜の一つ。特に大幅にアップするのがミネラル成分です。鉄分は、生の大根と比べるとなんと約50倍!また、カルシウムは約23倍、ビタミンB1・B2も約10倍。わずかですがビタミンCもアップします。【解説】赤石定典(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長)

解説者のプロフィール

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赤石定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長。管理栄養士。栄養管理のプロとして栄養に関する研究を行い、入院患者の献立の作成や、患者に直接栄養管理の指導やアドバイスも行う。自身が勤務する東京慈恵会医科大学附属病院栄養部が監修した『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)はロングセラーを記録。

大根もシイタケも〝天日干し〟が絶対!

[別記事:【干し大根スープの作り方】糖尿病の予防や便秘改善、美肌効果も期待できると大人気→

干し大根スープ」のメイン食材は、切り干し大根干しシイタケです。

どちらも、いわゆる「乾物(干し野菜)」と呼ばれる物で、生のまま調理して食べるよりも、栄養価が高いという特長があります。

ここでは、大根とシイタケを干すことで、どれくらい栄養価がアップするのか、どんな物を選べばいいのか、といったポイントを解説していきましょう。

切り干し大根は、ご存じのとおり、細切りにした大根を乾燥させた物です。

実は、大根は、干すことで栄養価が急増する野菜の一つ。特に大幅にアップするのが、ミネラル成分です。鉄分は、生の大根と比べると、なんと約50倍! また、カルシウムは約23倍、ビタミンB1・B2も約10倍。さらに、わずかですがビタミンCもアップします。

ただし、注意点が一つ。市販の切り干し大根を利用する際は、必ず「天日干し」の工程がある物を選んでください。

大根は、太陽の下で乾燥させることで、より栄養価がアップします。抗酸化作用のあるポリフェノールは約1.5倍に、旨み成分であるグルタミン酸や糖度に関しては2~3倍に増えるのです。

市販品には、天日干しではなく、大型の乾燥機で製造された物もあります。切り干し大根の「干し野菜パワー」を十分に得たい人は、「天日干し」と書かれている商品を選びましょう。

もう一方のシイタケも、干すことで、栄養価も旨みもグンとアップします。

菌床栽培の生シイタケと比べてみると、血圧を下げる作用のあるカリウムは約10倍に増加。ビタミンDは約30倍、葉酸は約5倍にアップします。グルタミン酸も約15倍に増えるうえ、同じく旨み成分であるグアニル酸も約10倍になるのです。

ちなみに、シイタケのカサの裏には、脳の神経伝達を活性化させるドーパミン・レボドパや、コレステロールを下げる働きがあるエリタデニンが含まれています。

さらに、シイタケの軸には、疲労回復効果のあるオルニチンや、リラックス効果のあるGABAが含まれています。

干しシイタケも、やはり天日干しがお勧めです。生シイタケを1時間ほど日光浴させるだけで、ビタミンDが10倍ほど増えることがわかっています。

自作するなら3日干し!大根は皮ごと使う!

干し野菜に共通しているメリットは、カサが減ることで、たくさん食べられるという点です。いくら体によくても、生の大根やシイタケを大量に食べるのは、やはり大変でしょう。

その点、干し野菜なら、同じ量でも楽に食べることができます。食物繊維も手軽に摂取できるうえ、前述したように、天日干しにすることで、もともとの栄養素がアップするという利点もあるのです。

だからこそ、干し大根スープを作ったときは、スープに使った具材も残さずに食べることをお勧めします。水に溶け出さずに具材に残ったままの有効成分も少なくないからです。

干し野菜パワーを余さず取り入れるために、具材も上手に利用して食べましょう。手軽なのは、具材をサッと炒めるだけのレシピです。ニンジンや油揚げを加えても美味でしょう。

スープにした場合、むしろ逆に、味が濃いと感じたり、くどいと感じたりする人もいるかもしれません。そんなときは、少量のお酢を加えるのがお勧めです。さっぱりした味になり、お酢の健康効果も得られます。

食材選びに悩む人は、自分で干し野菜を作ってみるのもいいでしょう。

ホームセンターなどで、干物やドライフルーツも作れる「干し野菜ネット」が売られています。それさえあれば、切り干し大根はピーラーでスライスして干すだけ、干しシイタケは生シイタケをそのまま干すだけで、簡単に作れます。

画像: ネットがあれば手軽に干し野菜が作れる!

ネットがあれば手軽に干し野菜が作れる!

ちなみに、切り干し大根を手作りするときは、皮も利用しましょう。大根は、皮にも多くの栄養が含まれています。

できれば、3日干しが理想です。3日干すことで、抗酸化作用がアップするうえ、触感がやわらかくなって食べやすくなります。夜露にぬれるといけないので、夜間は屋内にしまいましょう。

切り干し大根スープをはじめ、ふだんの食生活に干し野菜を取り入れて、健康づくりに役立てましょう。

[別記事:【干し大根スープの作り方】糖尿病の予防や便秘改善、美肌効果も期待できると大人気→

画像: この記事は『壮快』2020年1月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『壮快』2020年1月号に掲載されています。

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