体が冷える、むくむ、肩がこる、疲れやすい、肌や髪がパサパサになるなど、こうした不調のほとんどは、血流が足りないことが原因です。薬膳で鶏肉は「気血を補い、体を温め、胃腸を助ける」とされ、骨付きの鶏肉で作るチキンスープは、血を増やす滋養食としてお勧めしています。【解説】堀江昭佳(漢方薬剤師)

解説者のプロフィール

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堀江昭佳(ほりえ・あきよし) 

漢方薬剤師。不妊カウンセラー。有限会社堀江薬局代表。一般社団法人日本漢方薬膳協会代表理事。婦人科系の分野、なかでも不妊症を専門とする。血流を中心に据えた西洋医学、漢方医学、心理学の3つの視点からの総合的なアプローチは評判を呼び、自身の薬局で相談を受けてきた心と体の悩みは5万件を超える。著書『血流がすべて整う暮らし方』(サンマーク出版)が絶賛発売中。
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血を増やせばイライラも不安も解消する

ぼくは出雲大社の参道で95年続く漢方薬局の四代目で、婦人科系の分野を専門としています。この15年間で、5万件の相談を受けました。

相談の内容は高血圧、糖尿病、ガン、不妊症などの病名がつくものから、体がだるい、眠れない、気分が落ち込んだりイライラしたりするといった、不定愁訴や老化と呼ばれる症状まで、実にさまざまです。

漢方では、その人の体の状態を詳しく診たうえで体質を判断し、一人ひとりの体質や症状に合わせた対応を決めていきます。

ぼくの長年の経験から断言できるのは、血流が足りていない人が非常に多いということです。特に女性については、相談に来られるかたの9割が、血流が足りていません。

血流は、全身の細胞に酸素や栄養を運び、老廃物や二酸化炭素を回収するとともに、体温や免疫力の維持にも働きます。また、脳やホルモンを介して、自律神経の働きや心の活動をも支えています。

体が冷える、むくむ、肩がこる、疲れやすい、肌や髪がパサパサになるなど、病気とは言えないけれど、何となく調子が悪い状態。それらを放置することで、月経トラブルや更年期の不定愁訴を抱えたり、ホルモンや自律神経の乱れを招いたり、さらに大きな病気を引き起こしたりするのです。

こうした不調のほとんどは、血流が足りないことが原因です。そこでぼくが多くのかたにアドバイスをするのは、「血流力をアップする生活術」です。

なかでも手羽中など骨付きの鶏肉で作るチキンスープ(鶏スープ)は、血を増やす滋養食としてお勧めしています。

薬膳で鶏肉は「気血を補い、体を温め、胃腸を助ける」とされています。

骨には造血の力が備わっているので、骨付きの鶏肉を煮込んで作ったスープには、肉だけではなく骨からも、血液の材料となるたんぱく質や、赤血球の主要な成分であるヘム鉄などの栄養分が、しっかりスープに溶け出します。

そのため、胃腸の働きが弱くても栄養分が消化・吸収されやすく、気と血を生み出す胃腸そのものも元気になるのです。

画像: 堀江先生が作ったチキンミネストローネ

堀江先生が作ったチキンミネストローネ

胃腸の働きを整えると自律神経も整う

チキンスープには、血を増やすことを介して自律神経のバランスを整える効果も期待できます。

東洋医学の基本的な考え方に「陰陽」があります。陰は静かなもの、陽は活動的なもので、陰と陽が一定のリズムで入れ替わってバランスが取れている状態が「健康」であるとされています。

西洋医学的に言うと、陰陽は自律神経であり、陰は副交感神経、陽は交感神経にあたります。

ストレスや緊張の多い現代人の生活は陽が過剰になり、交感神経の働きが高まりがちです。そこで必要になってくるのが、陰を増やすことによって陰陽のバランスをとること。血は「陰血」とも呼ばれ、陰の気を補うのが血とされています。

また、東洋医学では五臓六腑の「」が、自律神経をコントロールしていると考えます。

肝とは肝臓の働きだけでなく、血流や自律神経、精神、感情などを司る全身の司令塔的な働き全般を指します。

肝臓は血液を蓄え血流量を調節する蔵血の臓器ですから、血が不足すれば当然、自律神経の働きにも乱れが生じることになります。

したがって、チキンスープで胃腸の働きと血を作る力が高まり、血流力がアップすれば、自律神経のバランスも整ってきます

チキンスープを飲むタイミングですが、食事のいちばん最初をお勧めしています。そのほか、何となく食欲がないときや、生理中など、好きなタイミングで、できる範囲で取り入れてください。

血が増えて不快症状が消える!

「チキンスープ」の作り方

基本のレシピ

画像1: 血が増えて不快症状が消える!

チキンスープは、パスタ鍋など、大きめの鍋で作ってください。分量が多過ぎると思った人、大きめの鍋がない人は半量で作りましょう。

スープの具材はなるべく食べていただきたいのですが、スープと鶏肉をとり続けてもらうことが大事なので、無理はしないでください。

画像2: 血が増えて不快症状が消える!

【 材料 】( 7食分)
鶏の手羽中(または手羽先)…13〜14本程度
コンブ…10㎝×5㎝
ネギ …青い部分
ショウガ(薄切り)…2かけ
ニンニク…2かけ
クコの実…10粒
ナツメ…3個(刻んである場合は大さじ1)
水…2L
鶏がらスープ…大さじ1
※手に入れば、カンキョウ(ショウガを蒸してから乾燥させたもの)…小さじ1(お茶パックに入れる)

画像3: 血が増えて不快症状が消える!

【作り方】
沸騰したお湯(分量外)に手羽中を入れて、1分間ゆでる。別の鍋に水(分量)とコンブを入れ、火にかける

画像4: 血が増えて不快症状が消える!

ゆでた手羽中を取り出し、流水で洗う

画像: 洗うことで生臭さなどが取れる

洗うことで生臭さなどが取れる

画像5: 血が増えて不快症状が消える!

②も含め、材料をすべて鍋に入れる。カンキョウがある場合は、ここで鍋に入れる。沸騰したらアクを取り、弱火にして30分煮る

画像6: 血が増えて不快症状が消える!

最後に鶏がらスープを入れ味を調えて、完成。カンキョウを入れた場合には、ここで取り出す
※ネギは臭み消しに入れているので、具材として入れる場合は、20分程度煮たあたりで斜め切りにしたものを入れる

【保存方法】
作ったチキンスープは、蓋ができる容器に入れて冷蔵庫で保存し、3日以内に飲み切る

おいしい活用レシピ

■チキン玄米がゆ

画像7: 血が増えて不快症状が消える!

【 材料 】( 2食分)
チキンスープ…600g(600ml)程度
玄米…0.5合
ネギ…少々

【作り方】
上記分量のチキンスープに玄米を入れ、30分間、煮込んで完成。お好みで、最後にネギ(小口切り)を散らす

■チキンミネストローネ

画像8: 血が増えて不快症状が消える!

【材料】(2人分)
ニンジン…1/4本
タマネギ…1/4個
ジャガイモ…1/2個
キャベツ…1/8個
オリーブオイル…大さじ1/2
ニンニク…1かけ
ホールトマト缶…1/4缶
チキンスープ…400g(400ml)程度
ローリエ…あれば)
塩…適量
コショウ…適量

【作り方】
ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、キャベツは1㎝角に切る
オリーブオイルとニンニク(みじん切り)を鍋に入れ、弱火でニンニクに軽く色をつける。
 ニンジンを加えて炒める
タマネギを加えて、甘みを出すために塩を軽くふる。タマネギがしんなりしたら、キャベツを加える
キャベツがしんなりしたら、ホールトマト、チキンスープ、ローリエを加えて煮る
沸騰したら弱火にして、アクを取りながら煮る
15分ほど煮込んだら、ジャガイモを入れて塩、コショウをし、さらに15分煮て完成

※冷え症の人は、ショウガを1/4個くらい角切りにして入れてもいい。この場合は、②のときにニンニクといっしょに炒める。
味が薄い場合は、コンソメキューブを1個入れてもいい。翌日、カレー粉を少量入れたら立派なトマトカレーに!

血流改善は自分の命を養うこと

漢方では血が足りないことを「血虚」といい、単純に貧血という意味ではなく、血液中の栄養やホルモン、エネルギーも含めた「血」の質が悪くなっていることも意味します。

血流が悪くなる理由として、この血虚に加え、血が「作れない」「流れない」ことが挙げられます。血を作れないから、血の量が足りなくなり、足りないために流れも悪くなるのです。

漢方ではそれぞれを次のような体質と考えます。

血が作れない(気虚)
「気」とは、血などを作って流すエネルギーのことで、気虚は気が足りない状態。胃腸や消化の働きが弱く、血液の原料となる栄養をじゅうぶんに吸収できず、血を作り出せない。疲れやすく、やる気が出ない。

血が足りない(血虚)
血は作れたとしても生理や出産、授乳などで失う量も多く、血の量が不足したり、血の質が悪くなったりする。婦人科系のトラブルが多く、心の状態としては不安感が強い。

血が流れない(気滞・お血)
血が作れないか足りない、あるいはストレスなどの影響で、全身の気と血の巡りが悪くなっている状態。肩こり、腰痛、頭痛が起きやすく、ストレスに弱くイライラしがち。

漢方ではほかにも体質がありますが、ぼくの薬局に相談に来られる女性は、共通して「気虚」「血虚」「気滞・お血」に当てはまりました。

自分の体質や血流の状態を知るには、鏡の前で自分の舌を見てみるとよいでしょう。

舌の色が淡い、真ん中にへこんだ線が入る、舌の裏側にボコボコと静脈が浮き上がるなどの特徴があれば、血流が悪くなっています(下の図参照)。

■自分の体質や血流を舌でチェック!
①〜③に当てはまる人は要注意!!

画像1: 血流改善は自分の命を養うこと

正常な状態
淡い赤色をしていて、舌苔も薄く白い

画像2: 血流改善は自分の命を養うこと


舌の裏側の静脈が浮き上がっている

画像3: 血流改善は自分の命を養うこと


舌の色が淡く薄い

画像4: 血流改善は自分の命を養うこと


真ん中にへこんだ線が入っている

私たちの体は、自分が食べたものでできています。食事をして血を作ることは、自分自身の命を養うことです。

血流改善の第一歩として、ぜひ、チキンスープを食生活に取り入れていただきたいと思います。

[別記事:【チキンスープ】高タンパク低糖質で胃に優しい!コラーゲンや鉄分もとれる効率よくとれる→

画像: この記事は『ゆほびか』2020年2月号に掲載されています。 www.makino-g.jp

この記事は『ゆほびか』2020年2月号に掲載されています。

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