プロフィール

丘みつ子(おか・みつこ)
1948年、東京都生まれ。19歳のときに「ミス人魚コンテスト」をきっかけにモデル界に入る。68年、日活に入社し、映画「禁断の果実」でデビュー。70年、TBS「ポーラテレビ小説『オランダおいね』」でTV大賞新人賞を受賞。数多くのテレビドラマに出演。映画『マディソン群の橋』メリル・ストリープ役など洋画の吹き替えも務める。趣味は茶道、書道、山歩き。20年以上続けている陶芸は、毎年個展を開催している。
けっこうな量のユズを使って毎年手作り!
※肌に塗る際は、必ずパッチテストを行ってください。少量を塗ってしばらく時間をおき、様子を見て、赤みやかゆみなどの異常が現れたら、直ちに中止してください。
[別記事:【ユズの種化粧水の作り方】抜群の保湿力!ヌルヌル成分が効く理由を皮膚科医が詳しく解説→]
私はもうじき72歳になりますが、実年齢より若く見られることがしばしばです。体が元気に動くのに加え、肌の調子がいいからだと思います。
撮影現場で、メイクさんから「お肌がおキレイですね!」とほめられて、「ふだんのお手入れには、何を使っているんですか?」と聞かれることも。
そんなとき、うれしくなって「ユズの種を使って手作りした化粧水なの。私は20年来、これ1本よ!」と答えると、皆さんびっくりされます。
長いこと、この「ユズの種化粧水」を使っていますが、おかげでほうれい線などのシワも、年のわりには目立たないほうだと思います。
シミもなく健やかな肌を保てているのは、女優の仕事をするうえで、とてもありがたいことです。
私がユズの種化粧水を作るようになったのは、友人宅を訪ねたことがきっかけです。庭にユズの木がたくさんあるそのお宅では、代々、ユズの種で化粧水を作っているとのこと。とても興味を引かれて、作り方を教えてもらったのが、最初でした。
それからは毎年、冬が近づくと、知り合いの農家のかたからユズを分けてもらっています。けっこうな量で、スーパーマーケットのレジかごにして、三つ分くらいはあるでしょうか。
ユズはよく洗い、外皮を薄くこそげて、横半分に割ったら、種を指で取り除きつつ、果汁をしぼります。皮や果汁は、料理やジャム作りに使います。
両手に山盛りしてもこぼれるほどの種が取れるので、洗わずにそのまま、瓶に入れます。きれいに消毒した果実酒用の大きなガラス瓶に、やはり果実酒用のホワイトリカーを、かぶるくらい注ぎます。焼酎のなかでもホワイトリカーを使うのは、アルコール度数が高いため保存がきくからです。
ふたをして、冷暗所に10日間ほどおくと、サラサラだったお酒が、トロトロのジェル状になります。私はこれを、さらし木綿を敷いたザルでこします。
とろみが強いので、こすのに時間がかかりますが、ザルだけでなく、さらしを使うことで、濁りのないきれいな仕上がりになるのです。種や布にとろみが残るともったいないので、最後のほうは、手でしぼるようにして、とろみを出し切ります。
こしたあとの液は、一升瓶にして、1本以上になるでしょうか。冷蔵庫には、入れません。梅酒などの果実酒は、常温で数年おいても、熟成こそすれ、腐敗しませんよね。ユズの種化粧水も、それと同じ。経験上、1年くらいは変質しないように感じます。

丘さん手作りのユズの種化粧水
口に入れても大丈夫なくらい安心で安全!
私はお風呂上がりなどに、このユズの種化粧水を手に取り、全身に塗りのばします。手も足もしっとりして、乾燥知らず。とても気持ちのいいものです。
顔につける場合は、ホホバオイルを混ぜて使うことがほとんど。ホホバオイルは、クセがなく使いやすいところが、お気に入りです。ユズの種化粧水だけでも十分しっとりしますが、油分を混ぜることで、さらに保湿力が高まると感じています。
冬の間は特に乾燥するので、ユズの種化粧水とホホバオイルを同量ずつ混ぜます。夏はオイルの割合を減らすと、さらりとした軽い使い心地になります。
私はもうずっと自然志向で、人工的な物が好きではありません。添加物の多い食品は避け、みそやヨーグルトなど、食べ物は極力手作りするようにしています。手作りする作業が楽しいというのもありますが、自分で作れば、何が入っているかわかるからです。
化粧品についても同じ。肌に触れることを考えたら、口に入れても大丈夫なくらい、安心・安全な物を選びたいと考えています。
だから私は、日焼け止めも塗りません。夏場は帽子をかぶるようにしています。よくわからない成分で化学合成された日焼け止めをつけるくらいなら、シミができたほうがまし!
長年使っているユズの種化粧水は、そんな私のポリシーの象徴といえるかもしれません。これからも、私らしく、元気に年を重ねていきたいと思います。
オイルを混ぜると水分蒸発をより防げる(ミキクリニック院長 長尾美樹)
女優さんにとっては、美肌づくりも仕事の一つですが、ユズの種化粧水が20年も貢献しているとは驚きです。
ユズの種化粧水には油分が少ないので、オイルを混ぜるというのは、名案です。混ぜたオイルが、肌から分泌される皮脂を補いつつ角質層を覆い、さらに水分の蒸発を防いでくれます。長年愛用されているだけあってさすがの工夫だと思います。
※肌に塗る際は、必ずパッチテストを行ってください。少量を塗ってしばらく時間をおき、様子を見て、赤みやかゆみなどの異常が現れたら、直ちに中止してください。
[別記事:【ユズの種化粧水の作り方】抜群の保湿力!ヌルヌル成分が効く理由を皮膚科医が詳しく解説→]

この記事は『壮快』2020年2月号に掲載されています。
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